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ホンダ13年ぶりのF1勝利に見えた、
フェルスタッペンとセナの共通点。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byMamoru Atsuta

posted2019/07/20 09:00

ホンダ13年ぶりのF1勝利に見えた、フェルスタッペンとセナの共通点。<Number Web> photograph by Mamoru Atsuta

スタンドをオレンジに染めたオランダ大応援団の声援を受けて逆転勝利を飾ったフェルスタッペン。

3つのテーマを持って臨んだ。

 テーマは主に3つ。
(1)前戦でスタート後に直線で伸びが欠けたことの改善と最適化。
(2)ヨーロッパの熱波気象で予想される高温条件への対策。
(3)決勝レースでのPUパフォーマンスの使い方のさらなる追求。

 ハイブリッドPUのF1に復帰して5年目、ホンダは信頼性第一の上で地道に性能向上を重ねる基本コンセプトを守ってきた。開幕戦でフェルスタッペンが3位表彰台。モナコGPでトロロッソも含め4台が全車入賞。PU不具合のリタイアは皆無。

 そして迎えたオーストリアGPだ。フロントロー2位グリッドのフェルスタッペンはスタートで出遅れ、7番手に落ちた。

「瞬間ドキッとしました。追いつけるかどうかは、正直見えなかった。でもどこまで行けるかやってやろうと。序盤から綺麗に抜いていったので、徐々に期待が……」

 終盤までに3位浮上。国際映像で彼への無線指示「エンジン・モード・11」が流れた。前述(3)、PUの使い方において、フル・パワーで走っていいという意味だ。

「詳細(数値)については相手もいるので明らかにできませんが、そう解釈してくださっても……。いうなれば『行くぞ!』、と勝負に出たんです」

審議の末にペナルティはなかった。

 56周目、3コーナーでV・ボッタスを抜き2位。C・ルクレールとマッチレースに持ちこんだ69周目、1コーナーからホンダ・パワーで加速。直線が速いとされるフェラーリSF90をレッドブルRB15がとらえた。勝負の3コーナーにサイド・バイ・サイドで進入。接触しながらもマシンに損傷はなく、2人ともスピンしなかった。ぎりぎりの防御とぎりぎりの攻撃だった。

 このクロスプレーがレース後長時間の審議となったが、結局ペナルティはなし。2位のフェラーリも、正式な抗議や“上訴”手続きはしなかった。勝負の瞬間はレース後ではなく、競技の中にあるべきだからだ。

【次ページ】 セナと同じで勝ちにこだわっている。

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