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<eスポーツの世界へようこそ>
モンストグランプリの現在地。 

text by

河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

PROFILE

photograph byTadashi Shirasawa

posted2019/07/11 10:30

<eスポーツの世界へようこそ>モンストグランプリの現在地。<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

関東、関西ともに、予選に参加したチーム数は100を優に超える。激戦を勝ち抜いた者たちには、競技者としての風格が漂っていた。

「作品」か「人生」か「好きなこと」か。

 一方で、こんな芸術家肌もいる。

「いっさいの無駄のない理想の立ち回り(攻略法)を考えて、実際のショットで表現して観客の心を動かすという意味で、僕らのやってることはスポーツというより、むしろ『作品』だと考えてます」(関西予選Aブロック優勝チーム『AliceWithAce』のリーダー「だちゅら」)

 もうひとつ、ちょっと気恥ずかしくなるようなど真ん中直球の質問を投げかけてみる。あなたにとってモンストは、自分が自分の人生を生きていると一番感じさせてくれるもの? それとも、いくつかある趣味のひとつにすぎない?

「人生とまでは言えないかなあ。でも、好きでやっていることで大会に出て勝負ができる、自分たちがうまいんだぞって証明できる世界って、すごく面白い。こういう経験はなかなかできませんからね」(『アラブルズ』のリーダー「KEVIN」)

「大人になるとどうしても社会生活が優先になって、心を許せる友達がどんどん減っていくじゃないですか。そんな中、仕事もそっちのけで熱中しているものをきっかけにして、歳の上下に関係なく何でも言い合えるような仲間が大勢できた。私にとっては、モンストが生活の中心といっても過言ではないんです」(『LMBulldozer』の4番手「ポールモール」)

 予選突破プレーヤーのモンストとの距離感は、人それぞれ違う。しかし、どのチームの誰もが、持てる技術と知識と情熱と時間を注ぎ込み、2019年のアジア王者になろうとしている。

 彼らにとって、eスポーツやモンストはスポーツと呼ぶに値するのか否かなど、何の意味も意義もないことなのだ。

 それでもなお、確たる答えを求めたいという向きは、7月13、14日、幕張での決勝大会を目の当たりにして、自らの心で感じてみることだ。

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