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<eスポーツの世界へようこそ>
モンストグランプリの現在地。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byTadashi Shirasawa
posted2019/07/11 10:30
関東、関西ともに、予選に参加したチーム数は100を優に超える。激戦を勝ち抜いた者たちには、競技者としての風格が漂っていた。
日本語のスポーツはほぼ<運動>。
コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称(JeSU〈日本eスポーツ連合〉公式サイトより)に『eスポーツ』という言葉が使われるようになったのは、2000年ごろからだという。
数年前からメディアを賑わせるようになったこの呼称には、とかく異論が多い。曰く、「体を動かしもしない勝負がスポーツなのか」曰く、「単なる大型のゲーム大会ではないか」……。英語の『sport』を辞書で引けば、〈遊び〉、〈娯楽〉の意味もあることがわかる。しかし日本語の『スポーツ』はほぼ〈運動〉に限定して使われるので、eスポーツなる言葉やその概念に拒否反応を示す人々が存在するのだろう。
「やっている側からしたら部活の気分」
では、モンストグランプリ出場者の側は、自分たちの競技がeスポーツと呼ばれること、そしてそれが議論の的となっていることに対し、どんな感情を抱いているのか。関東予選、関西予選の各優勝メンバーに問いかけると、こんな答えが返ってきた。
「どう呼んでもらってもいいんですよ。僕たちはただモンスターストライク(モンスト)というゲームをやっているだけで、ゲームを使ったいろいろな大会をひとくくりにするために、周りの人が響きの良さそうな名前を付けたに過ぎないと思ってます。」(関東予選Aブロック優勝チーム『Cats』のリーダー「♡るんるん♡」)
「前の番手のミスを次のプレーヤーのショットでリカバーするような状況もあるし、試合中の4人の間のコミュニケーションだって大事。モンストって実は、チームプレー的な要素もすごくあるんですけどね」(関西予選Bブロック優勝チーム『アラブルズ』の1番手「みんと」)
「やっている側からしたら、モンストグランプリの舞台に立つまでの過程は、部活をやっている気分なんです。みんなで一生懸命練習して、試合に臨んでっていう」(『LMBulldozer』の「ありすぅ」)