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噂の大物牝馬にディープ級の末脚も。
ノーザンファーム勢3頭の素質が凄い。
posted2019/06/19 07:00
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
Photostud
リアアメリア(牝2歳、父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)が、噂通りの圧勝デビューを決めたのが、6月1日の阪神芝1600mの新馬戦。川田騎手から発せられた「意識的にゲートをゆっくり出して、後ろからの競馬を教えました」という声を聞けば、世代最初のレースからいきなり桜花賞候補が出現したことがわかる。
道中は他馬の後ろを走ることを嫌がったのか、頭を大きく振るなどロスの目立つ走りをしながら、直線は一気の伸び。8馬身ぶっちぎりの極上の瞬発力は掛け値なしの大物牝馬と言い切れる。
その翌日は東京から大物が2頭も出た。芝1600mを勝ち上がったのはサリオス(牡2歳、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)という534キロの巨体馬。1番人気はレイデオロの半弟アブソルティスモ(父ダイワメジャー)に譲ったが、最後の長い直線で使った脚は段違い。
とりわけラスト2ハロン目で刻んだ10秒9のラップは、ディープインパクトの衝撃の新馬戦の記録、10秒8を思い起こさせるほどの切れ味だった。
モーベットのラップを見て驚いた。
このすぐあとの新馬戦を勝ったモーベット(牝2歳、父オルフェーヴル、美浦・藤沢和雄厩舎)は、牝馬限定の芝1600mに出走して、最後方からの差し切り。
前記2頭と比較すると地味だったのかと思いきや、ラップを確認して驚かされる。
ラスト2ハロンが11秒4-11秒2だったからだ。
意外と思われるかもしれないが、ラスト1ハロンのラップがその前の1ハロンより速くなることは古馬の上級レースまで目を凝らしても滅多にお目にかかれない。