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大坂なおみが元女王をねじ伏せた。
2時間50分の熱戦に喝采は止まず。

posted2019/05/31 18:00

 
大坂なおみが元女王をねじ伏せた。2時間50分の熱戦に喝采は止まず。<Number Web> photograph by AFLO

アザレンカ(左)の出来も素晴らしかった。しかしそれ以上に大坂なおみの充実ぶりが目立った2時間50分だった。

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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AFLO

 これがグランドスラムでなければ、もし相手が違えば、あのパフォーマンス、あの勝利は生まれなかったかもしれない。

〈元女王〉と対戦するのは全豪オープンの準決勝でカロリナ・プリスコバに勝って以来だ。自分自身が女王になってから初めてということになる。

 また、今回のドローの中には7人の〈元女王〉がいるが、その女王時代がまだ大坂の無名時代にあった選手となれば、大坂にとってその存在はまた違った意味を持つだろう。ビクトリア・アザレンカはその限られた〈元女王〉の1人だった。

 大坂の少女時代からのアイドルは紛れもなくセリーナ・ウィリアムズで、アザレンカはそのセリーナの強力なライバルの1人でもあった。

アザレンカに挑戦者精神で挑めた。

「彼女が全盛期のとき、対戦したいといつも思っていた」と大坂は言う。その機会はすでに過去2度あった。最初はグランドスラム・デビューとなった18歳の全豪オープン。予選から3回戦まで勝ち進んだ快進撃を止められた。

 1-6、1-6という完敗は、昨年のローマで6-0、6-3と圧勝してリベンジしたが、この一戦に大坂はチャレンジャーの精神で臨んでいた。

「彼女のほうが経験があるし、ここでの実績もある。ナンバーワンだったしグランドスラムも獲ってる。私はまだ新米だから」

 この4カ月間、必然的に失っていたのがこのチャレンジャー精神だろう。ニューカマーだった頃から大物キラーと呼ばれ、健気で一途な心とプレーで人々を魅了してきた彼女ほど、チャレンジャーの立場が似合う選手はそういない。

 そんな大坂にとって、アザレンカが妊娠・出産によるブランクからの復活に苦しむ世界43位ではなく、紛れもなく全豪オープンで2連覇した元世界ナンバーワンの姿を見せたことはむしろ幸運だった。

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