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【NSBC第3期 スペシャルトーク】
池田純×松下浩二Tリーグチェアマン
「Tリーグ、1年目を徹底的に総括する」
 

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posted2019/06/04 08:00

【NSBC第3期 スペシャルトーク】池田純×松下浩二Tリーグチェアマン「Tリーグ、1年目を徹底的に総括する」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

松下チェアマン(右)は、Tリーグ1年目を「70点」と総括。残り30点プラスアルファについいて、池田氏とのトークはアイデア満載だった。

卓球にとっての「聖地」はどこになるか。

池田 それから興行面で気になったのは、「ここに行けばトップクラスの卓球が観れる!」という場所があるのかどうか。卓球にとっての「聖地」が必要になってくるのでしょうね。

松下 うーん、全日本選手権が行われる東京体育館でしょうか。両国国技館は、やっぱりお相撲のイメージが強いですしね……。

池田 ラグビー協会の仕事をしていた時に、トップリーグの形について、あまりホーム&アウェイ方式にこだわらず、それこそラグビーは秩父宮ラグビー場という「聖地」が最高の立地条件のところにあるのだから、そこを活用すべきじゃないか、と提言したことがあるんです。それこそ、毎週あそこで必ず試合が行われる形にしたっていいんじゃないか、と。結局採用されませんでしたが。

松下 ボクシングだったら後楽園ホールだったりとか、イメージも浸透していますよね。「聖地」となるような卓球アリーナはこれからの課題です。

池田 東京じゃなくてもいいように私は思います。卓球県となるような地域が生まれてくるといいですよね。オセロみたいなもので、一つそういう地域が出てくることがきっかけで、一気に勢力図が塗り替わっていくのではないか、と私は考えています。一つの地域の成功事例が、その競技の日本における世界観が変わっていく大きなきっかけになると思います。

松下 いま、Tリーグのチームがあるところでいうと……。

池田 名古屋か、埼玉がいいのではないでしょうか。

松下 池田さん、さいたま市のお仕事をしていますよね。

池田 そうですね。TT彩たまの方とも接点が増えてくるはずです。頑張ってほしいですね。行政とうまく付き合っていく中で、それこそ「市民クラブ」という形に持っていくことだって、できると思うんです。市民から投資をしてもらって、それこそお金も出してもらって卓球の「聖地」になるようなアリーナを作る。全部自分たちだけでやろうとはおもわずに、周りをどんどん巻き込んでいく。

松下 いま現在も、実業団チームとクラブチームと、いろいろな形が混在していますから、市民クラブもあっていいですものね。

池田 1年目、点数をつけるとしたら、100点満点で何点ぐらいでしょう?

松下 いい部分も悪い部分もありましたので、半分よりちょっといいぐらい。70点ぐらいでしょうかね。大きな事故もなく乗り切りましたから、二重マルではないけど、マル。

池田 2年目はもっと点数が上がるといいですね! 私は、高齢化に対応して、健康年齢寿命の向上が社会的な課題となっている日本において、卓球には潜在的なマーケットがあるし、とんでもない可能性がある、と思っています。松下さんは、人間性が本当に素晴らしいリーダーですし、僕のような若輩者の意見も真摯に耳を傾けてくださる。これからスポンサーさんも増えていくでしょうし、卓球の「聖地」も、卓球県も、いずれ生まれるはずです。期待しています!

松下 これからもいろいろとお力添え、よろしくお願いします。

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松下浩二

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