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【NSBC第3期 スペシャルトーク】
池田純×松下浩二Tリーグチェアマン
「Tリーグ、1年目を徹底的に総括する」
 

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posted2019/06/04 08:00

【NSBC第3期 スペシャルトーク】池田純×松下浩二Tリーグチェアマン「Tリーグ、1年目を徹底的に総括する」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

松下チェアマン(右)は、Tリーグ1年目を「70点」と総括。残り30点プラスアルファについいて、池田氏とのトークはアイデア満載だった。

観客は平均1300人、ファイナルは5000人。

池田 スポンサー集めも、大変だったのでは?

松下 そうですね……なにしろ時間が足りなかったので、交渉事がどうしても後手後手に回ってしまって。本来なら、相見積もりをとるべき局面なのに、見積もりをとらずに相手方の言い値で決まってしまったり。そこも苦労しましたね。

池田 観客動員数はいかがでしたか?

松下 男女4チームずつのリーグ戦とプレーオフで、全86試合。平均で1300人弱のお客様に来ていただきました。開幕戦とファイナル計4試合は両国国技館で開催しましたが、いずれも5000人前後入ってくれました。
 10月のリーグ開幕からしばらくは、なかなか苦戦しました。開幕時にWEB調査で算出したリーグとしての認知度は27%、プロ野球やJリーグの90%以上という数字に比べてかなり厳しいものでした。でも、11月には56%と、Bリーグの62%に迫る数字になり、自然とお客さんが増えてきたんですよね。水谷隼、張本智和、石川佳純、平野美宇、早田ひなといったトップ選手目当てに来てくださる方も増えてきましたね。ただ、会場によっては600人しかお客さんがいらっしゃらなかった試合もありました。

池田 ファンは、特定の選手を観に来ている、という感じですか。

松下 そうですね。純粋に卓球ファン、という方ももちろんいらっしゃいますが、やっぱり選手に紐付いている方が多く、このチームを応援したいから、このチームを観たいから、というところまではいきませんでした。チームとしての積み上げがありませんからね。ここも大きな課題です。各チームが、それぞれの地域に貢献してもらって、ファンを増やしてもらう必要がある。もちろんリーグもその手助けをしたいと思っています。

池田 横浜文化体育館で行われた女子の試合を家族で観に行かせていただいたのですが、驚いたのは、お客さんの観戦スタイルなんです。みなさん、自分があたかもラケットを持ってプレーしているような感じで、シャドウスイングをしながら観ていらして。やはり卓球経験者が多い、ということでしょうか。

松下 そうですね。3人に2人が卓球経験者という数字が出ています。男女比でいうと、男性が65%、女性が35%です。未経験者が1度観に来てくださったとして、2度目も来てくださるかどうか……。まだそのあたりのホスピタリティーが不十分だな、と感じています。

池田 一緒に観戦していた子供と、ショップに行っても、めぼしいものは何も売っていなかったことを思い出しました。それに、たとえば空きスペースに、子供たちも卓球に触れることができたり、時間を楽しめるように、お客さんが自由に遊べる卓球台が置いてあってもいいですよね。
 応援も、バレーボールのようにピッピッピッと応援リーダーが号令をかけるスタイルではなくて、みなさんシャドウスイングをしているので、マラカスみたいな卓球ラケット状のグッズを作って、ポイントごとにそれを振って「チョレイ!」と叫ばせたら盛り上がるかもしれない。

松下 それは新しい!

池田 ベイスターズでも、選手の応援で結構派手な踊りをしてもらうようにしたんです。みんな恥ずかしがるかなと思ったら、むしろそれを楽しみにしているファンが増えてくる。応援も文化ですからね。いまはTリーグの応援スタイルはまだ何も固まったものがないのだとしたら、いちから面白そうなものを作れるといいのでしょうね。

松下 確かに……。それからホスピタリティーの面でも、もっとやれることはありそうです。会場によっては、体育館では飲食が出せない、大学内の施設なのでお酒が出せない、なんてところも、そこもプロスポーツ、エンターテインメントの観戦スタイルとしては不備があるんですよね。改善すべき点だと思っています。

【次ページ】 選手の意識は変わったが、もう一段階上へ。

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松下浩二

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