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セ・パともにホームランが急増中!
理由はボールか、それとも技術の向上か。

posted2019/05/09 11:30

 
セ・パともにホームランが急増中!理由はボールか、それとも技術の向上か。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

5月8日現在、セ・リーグは12本塁打の巨人・坂本勇人が、パ・リーグは昨季の本塁打王の西武・山川穂高とロッテ・レアードが13本でトップ。

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Naoya Sanuki

 今シーズンの日本プロ野球は大いに華やいでいる。

 セ・リーグでは96試合を消化した段階で、計193本塁打が飛び出している。パ・リーグでは92試合で181本塁打。同じ5月5日時点で前年と比較してみると、セが87試合で132本塁打、パは88試合で154本塁打となっている。

 試合数の差を割り引いても、本塁打が増えているのは間違いない。

 こういう数字を見せられると、野球界からは必ずこういう声が出てくる。たとえば、あるセ・リーグ球団の主力投手は断言した。

「100%、ボールが飛ぶようになっていると思います。いえ、自分で言うのもなんですが、僕が打たれたホームランはどれも文句なしというものでした(笑)。登板のない日にチームの試合を見ていたり、チームメートのホームランを見ていて、すごく飛ぶなあって感じるんですよ」

 自分が打たれた本塁打は実力だと言う潔さから、つい「やはりそうなのかな」とうなずきかけてしまう。

 ところが、ここ数年はタイトル争いの常連となっている主力打者は「そんなことはない。同じだ」と言い、長年外野のレギュラーを張っている中堅選手は「守っていても、打っても違いは感じないです。むしろ、ボールが変わったとしたのなら、去年の方が感じましたね。もちろん実際にそうだったかは別ですが」と違う感想を口にする。

2011年から使われる統一球。

 実際のところ、どうなのか。

 ファンにも広く知られているように、NPBでは当時の加藤良三コミッショナーの肝いりで2011年からミズノ製の「統一球」を使用している。それまでは各球団に与えられていた裁量を取り上げたのだが、国際規格に合わせたこともあり、本塁打が激減した。当然、ファンの評判はすこぶる悪かったのだが、2年後の'13年には本塁打数が回復した。冒頭に紹介したように選手によって声が分かれるなどということはなく、異口同音に「絶対にボールが変わっている」と言われていた。

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