草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
セ・パともにホームランが急増中!
理由はボールか、それとも技術の向上か。
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byNaoya Sanuki
posted2019/05/09 11:30
5月8日現在、セ・リーグは12本塁打の巨人・坂本勇人が、パ・リーグは昨季の本塁打王の西武・山川穂高とロッテ・レアードが13本でトップ。
技術の進歩がホームラン増加の要因?
<技術向上説>
近年はMLBの影響もあり、フライボール革命、バレルゾーン、スイングスピード重視など打撃に関する新たなアプローチが広がっている。理論や練習方法を動画サイトなどで共有し、高めあえる環境も整ってきた。こうした技術向上が理由だと分析したのはゴールデングラブ賞受賞歴があり、打撃成績でも上位に食い込む中堅外野手だ。
「ボールではなく、技術が上がってきたと思います。外国人やパワーのある一部の日本人選手だけじゃなく、下位打線の選手でも本塁打を打ちますから。そうした打者は、少し前までは真っ直ぐは逆方向、変化球を引っかかり気味に打ったときにたまたまホームランという感じでしたが、今は真っ直ぐを力強く引っ張ってホームランというのがよく見られます」
「本塁打0」はセ4人、パ9人。
そう言われてスポーツ紙の打撃成績表を見ると、セ・リーグの規定打席到達選手は35人いるが、本塁打が0なのは中日の大島洋平、DeNAの大和、阪神の糸原健斗、広島の田中広輔だけだ。37人中9人が0本塁打のパ・リーグとの増加率の差は、ここにあるのかもしれない。
強く振る。遠くへ飛ばす。ひと昔前までは確実性偏重の指導が主流だったが、少年野球でも「フルスイング」が奨励されている。
誰もが飛ばしていい時代は、近づいている。