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五輪バスケの競技日程に違和感。
決勝戦はアメリカが出る前提?

posted2019/05/06 11:30

 
五輪バスケの競技日程に違和感。決勝戦はアメリカが出る前提?<Number Web> photograph by Getty Images

北京、ロンドン、リオと3連覇を果たしたアメリカ。東京での「金」についても最有力候補だ。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 4月16日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、オリンピックの競技スケジュールを発表した。

 発表前からそうなることが伝えられていた競技もあるが、「午前決勝」、つまり午前中に決勝が行なわれる競技がいくつかあることがはっきりとした。競泳、ビーチバレー、そして陸上でも9種目が午前決勝になる。

 その理由はすでに報じられていたように、アメリカでの放送時間への配慮にある。

 時差を考慮し、アメリカ時間で夜にライブで観られるように、という理由から、アメリカで人気のある競技・種目が午前決勝となった。アメリカでの放映権を持つNBCが、莫大な放映権料を支払っていることが、競技スケジュールを左右できる要因だ。

バスケは決勝後に3位決定戦。

 かつてアジアで行なわれたオリンピック、1988年のソウル五輪や、2008年の北京五輪でも同様のスケジュールが見られた。ソウル五輪陸上男子100m決勝の映像がたまにテレビで流れることがあるが、日中でのレース模様が映されている。同じように、北京五輪で競泳の決勝が午前中からスタートしていたのもそのためだ。

 だからある意味、東京五輪のスケジュールもそうなるであろうことは関係者の間でも予想はついていた。陸上の数ある種目の中で午前決勝となる9種目も、アメリカの選手が活躍しそうなものが選ばれている。これは賞賛の意ではないが、よく練られている、と感じる。

 ある程度予想されていたとはいえ、それでも目をひく部分がある。バスケットボール男子のスケジュールだ。実際のスケジュールを見てみよう。

・決勝  2020年8月8日11:30~
・3位決定戦 2020年8月8日20:00~

となっているのである。つまり決勝を行い、優勝が決まった後に3位決定戦となるのだ。

【次ページ】 過去の五輪を振り返っても異例。

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