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ドバイと重なってもGI馬が8頭。
大阪杯の肝は「サンデーとの距離」?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/03/30 08:00
強い4歳の牡馬における代表的存在、ブラストワンピース。勝った有馬記念は斤量差があったが、今回は真っ向勝負だ。
ブラストワンピースはまさに成功例。
今後、日本の生産界では、サンデーの血を薄めながら、なおかつ、より強くしていく相性のいい血を導入していくことが求められるわけだ。
その意味で、トレンドにマッチした配合をなされているのが、昨年の有馬記念を制したブラストワンピースと、マイルチャンピオンシップを勝ったステルヴィオである。
ブラストワンピース(牡4歳、父ハービンジャー、美浦・大竹正博厩舎)は、祖母のツルマルグラマーがサンデー直仔の種牡馬フジキセキの産駒だ。
それにキングマンボ系(ミスタープロスペクター系でもある)の種牡馬キングカメハメハを付けて母のツルマルワンピースが生まれた。それにノーザンダンサー系の種牡馬ハービンジャーを配合して生まれたのがこの馬だ。2世代にわたってサンデー系から離れる配合をしてきた結果、将来この馬が種牡馬となって生まれた産駒にとって、サンデーは5世代前ということになる。
こうなると、サンデー系の繁殖牝馬と配合しても、それほどサンデーの血が濃くなりすぎることもない。
ステルヴィオ(牡4歳、父ロードカナロア、美浦・木村哲也厩舎)は、祖母のアズサユミがサンデー産駒だ。それにノーザンダンサー系の種牡馬ファルブラヴを付けて母のラルケットが生まれた。それにキングカメハメハ産駒の種牡馬ロードカナロアを配合し、この馬が生まれた。
サンデー特有の気難しさがない2頭。
確かに、ブラストワンピースもステルヴィオも、サンデーの血が入っている馬にありがちな気難しさや、歓声に驚いて内に切れ込むような過敏さはない。レースぶりも安定しており、瞬発力より総合力というタイプなので、サンデーの血が入っていることを忘れさせる。
2頭とも、序盤からポジションを取りに行き、そこにおさまって馬群をさばくという、いわゆる機動力のある競馬をすることができる。
直線が359.1mしかない阪神芝内回りで、簡単にバテて下がることのない馬ばかりのGIで勝ち負けするために必要なものを持っている。