サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保ジャパンはエゴを肯定する。
堂安・南野の思想に香川の反応は?
posted2019/03/26 11:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Takuya Sugiyama
なぜか、当事者である選手目線からの考察はあまりなかったように感じる。
昨年9月から森保一監督のもとで始まった新たな体制で、なぜ若手がノビノビやれているか、という問題だ。その理由について、これまで色々な分析がなされてきた。
森保監督のチームマネージメントの妙。ベテラン選手の気遣い。世代交代が叫ばれていたタイミングが良かった等々……。
ただ、当の選手たちがどんな意識で戦っているかこそが、何よりも大切な要素のはずだ。
チームで16本のシュートを放ちながらノーゴールに終わったコロンビア戦を振り返り、20歳の堂安律はこう話した。
「イメージは良かったですけど、技術不足です。『ここで決めていれば……』というシーンはアジアカップから何本もありましたし、それは自分自身の責任です。僕がシュートを打ったシーンで、パスを出せたなというシーンも正直ありました。そういうときには、自分のエゴというかそういうものも出しちゃいましたけど……」
周りが見えているうえで、打つ決断。
その一方で、胸を張って語ったこともあった。
「周りが見えていたなかで、シュートを選択した場面は悪くないかなと思います」
プレーに余裕がなかったり、相手からのプレッシャーに圧倒されて、選択肢が狭まっていたのであれば、それは問題だ。
しかし状況がある程度見えているうえでシュートを判断して打ったのならば、それは良いことである。
そんな考え方を、今の前線の選手たちは共有している。
現在の代表で若手がノビノビとプレーしている理由の一部は、堂安の語った判断基準によって説明がつく。