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結果ではなく個人を評価する試合。
ボリビア戦で上げた人、下げた人。

posted2019/03/27 11:40

 
結果ではなく個人を評価する試合。ボリビア戦で上げた人、下げた人。<Number Web> photograph by AFLO

堂安律を筆頭に既存メンバーが存在感を見せたが、香川真司ら数人は可能性を見せた。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 この試合がW杯予選だったら──。

 3月26日の日本代表は、ボリビアに勝てなかったかもしれない。

 中島翔哉の決勝点が生まれた76分の時点で、森保一監督は5人の交代選手を送り込んでいたからだ。W杯予選を含む公式戦では、選手の入れ替えは3人までである。

 内容を伴った結果を得るのが難しいのは、試合前から予想されていた。22日のコロンビア戦から、森保監督はスタメンを総入れ替えした。国際Aマッチ出場がひとケタの選手が、実に8人を数えた。

 CBの畠中槙之輔とボランチの橋本拳人は代表デビュー戦だった。左サイドバックの安西幸輝とFWの鎌田大地も、コロンビア戦で初陣を飾ったばかりである。

 ロシアW杯のメンバーにして経験豊富な香川真司、乾貴士、宇佐美貴史がスタメンに名を連ねていたが、香川と宇佐美は今回が森保監督の指揮下で初招集だ。アジアカップに出場した乾にしても、ピッチに立った回数は限られている。チームとしての積み上げがほとんどない状態で、この日の日本はボリビアと対峙したと言っていい。

香川と乾の連係が足がかりだった。

 それだけに、中島、南野拓実、堂安律が2列目に並び、ダブルボランチの一角に柴崎岳が入った68分以降の時間帯が、落ち着いて見えるのは当然だっただろう。彼らが短い時間にパワーを注ぎ込めた一方で、ボリビアが時間の経過とともに疲労感を滲ませていったことも、76分という時間帯での先制点につながったはずた。

 交代選手の投入後に決勝点が生まれたことについて、森保監督は「前半から相手の嫌なところでボールを動かしたり、左右に揺さぶったりしてくれていた。前半からやってきたことが効いて、交代選手が決めることになった」と話した。

 先発した11人による機能性は率直に高くなかったものの、すでに成立している香川と乾の連係はビルドアップと崩しの足がかりとなり、彼らとのかかわりで経験の少ない選手も持ち味を発揮しようとしたところはある。

 23分に宇佐美のスペースを突いたパスから乾が、57分には乾の仕掛けから1トップの鎌田が、決定的なシーンを迎えている。どちらかひとつでもネットを揺らしていれば、スタメンで出場した選手たちの印象は変わっていたかもしれない。

【次ページ】 この試合は個人の評価で語るべきだ。

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