スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
Numberコラボの異色折り畳み自転車。
毎日が楽しくなる、お得な使い方とは?
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph bySAKAI CYCLE
posted2019/03/31 09:00
小型だが頑丈そのものの車体。折り畳み式自転車の欠点をなるべく無くし、快適性を追求した結果の造形である。
折り畳み方にもいろいろある!
高 フォールディングバイクの折り畳み方にはいくつかあって、そのほとんどは折り畳んだ状態をなるべく正方形にすることでコンパクト化を実現しているんだ。メーカーで言うと「ダホン」や「ブロンプトン」がそうだな。他には1本の棒のように細く折り畳んで小さくするタイプもある。例えば「ストライダ」や「キャリーミー」のように。また、「バーディー」のように前輪と後輪がひっくり返ってダウンチューブ下に収まるタイプもある。
いずれにせよ、フレームが折れてタイヤが重なってしまうため、意外と幅が広くなってしまうんだ。
奥山 へ~、各メーカーいろいろと考えているんですね。
高 サカイサイクルは「フレームを折り畳むこと」を嫌ったんだな。だってさ、フレームが途中で折れるってことは、それだけ剛性が低くなるから走りに影響するだろ。それに折り畳んだフレームが重なって全体の長さが短くなったはいいけど、その分幅が広がったら収納が面倒じゃんか!
奥山 う~む、フォールディングバイク設計が抱える矛盾ですね。で、サカイサイクルはどのようにして、その矛盾を解決したんですか?
高 答えは簡単。さっき「折り畳まなくてもコンパクトな設計にしている」って言ったよね。サブウェイバイクはもともとが小さいから、フレームを折り畳まなくても、ハンドルを畳むだけで十分にコンパクトになるんだよ。すなわちフレームもタイヤも重ならないから、その分薄くなる!
奥山 折り畳んだ塊に厚さがあると案外スペースを占めるので、クルマのトランクに積みにくいんですよ。でも、サブウェイバイクはたった270mmだから、簡単に積めそうですね。
高 今なんて言った?
奥山 えっ!? 「案外邪魔になる」ですか?
高 いや、その後だ。
奥山 クルマのトランク……。
高 そう! まさにソレ!! サブウェイバイクをクルマに積んで、郊外までドライブすればいいんだよ。
〔自転車×クルマ〕の可能性。
高 要するにクルマにサブウェイバイクを積んで、遠くまで出掛けちゃえばいいんだよ! で、郊外の駅前の駐車場とかにクルマを停めたら、すかさずサブウェイバイクを取り出して組み立てて、颯爽と走り出せばいいじゃんか! そうすりゃあ嫌な幹線道路を走らなくて済むだろ!!
奥山 なるほど……。このサブウェイバイクなら、トランクはもちろん、後部座席の足元にも置けますからね~。「自転車×クルマの美味しい6輪生活」かぁ、いいなぁ……どこへ行こうかなぁ?
高 おっ、ナイスなキャッチコピー。高原まで出掛けてアップダウンが続くワインディングを走ってもいいし、ビーチリゾート周辺の海沿いサイクリングを楽しんでもいいな。
俺ならトラベル用のロッド&リールを携帯し、田舎の池や川をサブウェイバイクで回ってもいいかな。ああいう所ってクルマが停めにくいからね。また、漁港の防波堤の突端まで行ってもいいな。デカい漁港だと、突端まで1~2kmあるからな。
奥山 京都~奈良の観光にも便利なんじゃないスか。お寺や名所がちょうどいい具合に分散していますから、バスやタクシーよりも自転車の方が効率がいいでしょ。鎌倉とかもいいですね。あの辺はクルマだと渋滞しますし、路地が細いから自転車にうってつけ! そうそう、焼き物の窯巡りをしてもいいですね。たいてい窯ってクルマだとなかなか入っていけない辺鄙な所にありますから。
高 キャンプやフェスにも、「クルマ×サブウェイバイク」は効果的なんじゃないかな。人気のキャンプ場は駐車場とキャンプサイトが遠いから、荷物を降ろして駐車場にクルマを停めてテントに戻る際に、サブウェイバイクなら楽々。イベント会場と駐車場が離れているフェスでも同様だ。
奥山 いやぁ、フィールドも遊び方もどんどん広がりますね。。