スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
Numberコラボの異色折り畳み自転車。
毎日が楽しくなる、お得な使い方とは?
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph bySAKAI CYCLE
posted2019/03/31 09:00
小型だが頑丈そのものの車体。折り畳み式自転車の欠点をなるべく無くし、快適性を追求した結果の造形である。
自転車ビギナーが抱える悩みとは?
奥山(はぁはぁ、ゼイゼイ)戻りましたぁ。いやぁ、高さんが言うとおり、しっかり安定して走れるし、意外にもスポーティな走りもアリでしたね~。ブレーキもよく利いて、いい感じです。ただし、四つ角やカーブではどうしてもふらつくんですよ。僕の乗り方がヘタなのかなぁ。
高 後輪のメタルブレーキが制動力をアップ! それに微妙なブレーキタッチが出来るから、軽快な走りが可能なんだ。でもねぇ、12インチのタイヤゆえに、ハンドル操作が過敏に走行姿勢に出ちゃうんだな。その特性が「キビキビとして気持ちいい」と言う人もいれば、「ハンドルが機敏過ぎる」と感じる人もいるだろうね。まあ慣れれば、印象が違ってくると思うんだけどね。
奥山 う~む、それでもこのバイクで苦手な幹線道路を走って、郊外の田舎道まで走るのはツラいなあ。さっきの糸魚川300kmなんて狂気の沙汰ですけど、そんな僕でも気持ちのいい田舎道を50~60kmは走りたいもんなぁ。
高 そんなにクルマが走ってる幹線道路は嫌い? まぁねぇ、本格ロードバイカーの中でも、幹線道路を走りたくないって人も少なくないんだけど……。道路状況もクルマのドライバーのマナーも自転車乗りには厳しいのは事実で、ここ最近はトラブルも多い。でもね、慣れればデコボコの路肩をスッと避けて走れるようになるし、クルマのドライバーに迷惑をかけない走り方も出来るようになるんだけどなぁ。
例えばサ、道路の左の車線にかなりはみ出して走っているから、後ろを走っているクルマの反感を買う訳で、あるいは後ろのクルマ、特にダンプやトラックが自分のことを追い抜きたがってるな~とわかったら、安全なところで減速して路肩ギリギリに寄って追い抜かせてあげるとか……ね。そういうマナーというかテクを覚えれば、スマートに幹線道路を走れるんだけどサ。
奥山 そうかぁ、確かに僕がクルマで走っている時は、自転車乗りにヒヤッとしたりイライラしたりしますもんね。中には「お、こいつデキるな」と思わせるライダーもいますけど……。ま、双方の理解が必要なんでしょうね。
あっと言う間に折り畳み完了!
高 さて、話がちと脱線しちまったけど、このサブウェイバイクこそ奥山のような“幹線道路嫌い”ライダーを満足させる自転車なんだ。ほらっ、そんな訝しげな顔してないで、こいつを折り畳んでみろって!
奥山 え~、面倒臭いなぁ。どうせ特殊な工具が必要だったり、力やコツもいるんでしょ!?
高 文句ばっかり言ってないで、まずはハンドルのクイックリリースレバーがあるだろ……ほら、そこの2本だ。そいつを外しなさい。
奥山 外しました。で、ハンドルをスルスルッと下げ、180度ひっくり返せばいいんですね。
高 お次はサドルだ。シートチューブのクイックリリースレバー……そう、それだ。そいつを外すんだ。
奥山 はいはい。で、サドルをスルスルッと下げればいいんでしょ。
高 「はい」は1回って、子供の頃お母さんに言われなかったか!? まあいい、サドルを固定する際、フレームとサドルの間にハンドルを入れて固定すること。そうすれば折り畳んだ状態でも、ハンドルがブラブラしないんだ。で、最後にペダルのレバーを捻って折り畳めば終了。
奥山 おお~っと、全然面倒じゃない。あっと言う間に小さくなりましたァ! しかも小さいだけじゃなく、とっても薄く畳めるんですね。
高 おっ、良い所に気づいたね。収納時の幅は、たった270mm! この「薄く畳める」ことこそサブウェイバイクの特異点であり、サカイサイクルが提案しているアイディアの真骨頂なんだよ。
奥山 なんだかとっても興味が湧いてきました。もったいぶらないで早く教えてくださいよ。