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大竹耕太郎は鷹の開幕ローテ当確?
ぶっつけ本番の投げ急ぎで大変身! 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKyodo News

posted2019/03/13 10:30

大竹耕太郎は鷹の開幕ローテ当確?ぶっつけ本番の投げ急ぎで大変身!<Number Web> photograph by Kyodo News

大竹耕太郎は先月末のロッテとの練習試合に先発して3回を無失点に抑えるなど、順調な仕上がりを見せている。

キャンプ序盤は力もキレもなく。

 しかし、キャンプの序盤の頃を思えば、大竹が今の位置にいるのを想像するのは難しかった。

 2月前半はボールの力もキレもまるでなく、打撃投手やシートバッティングに登板したのを見たが、一軍経験もほとんどない若手野手にあまりにも気持ちよく弾き返されていた。大竹はある危機感を口にした。

「僕が正しいと思ってオフの間ずっと取り組んできたけど、練習のための練習になっていた」

 一体どういうことか。

 時計の針を、悔し涙に暮れたCSファイナルに戻す。不調に陥った大竹の欠点を見抜いたのが武田翔太だった。

「軸足の膝が一塁側に倒れてしまうから、ホーム方向にきちんと推進できていない」

 なぜ、すぐにそれが分かったのかというと、武田自身も同じ部分で悩んだことがあったからだ。

 武田に勧められて、軸足の膝にギプスを装着した状態でボールを投げる練習を行なった。本来は前十字靭帯断裂などの重傷を負った患者のための器具だ。当然、膝は曲がらない。それを繰り返して悪癖を修正していった。

“左足で蹴る”感覚を忘れた。

 さらに武田が「三種の神器」という、ギプスのほかに、平均台、木製の踏み台ボックスを用いた練習法に一緒に取り組んだ。

 細い平均台の上に立って投げるのは、これもまた体重移動の中で横にブレるのを防ぐ意図があった。踏み台ボックスも捕手方向へ真っ直ぐ、強く踏み込むためといった意味を持っていた。

 大竹はオフの自主トレ期間はもちろん、2月のキャンプ中も午後の自主練習の時間になると倉庫からこれらを引っ張り出して一生懸命に反復練習を繰り返していた。

「やっていることは間違っていなかった。フォームの悪かったところは改善されて、理想の投げ方のベースはできたと思います。だけど、たとえばギプスを装着して投げると、左足を完全に殺してしまうことになる。それを繰り返していたら“左足で蹴る”という感覚を忘れてしまっていたんです。

 そうなるとボールを前で離すことができない。また、平均台などで投げる練習の中では足を上げた時にしっかり立つということも意識していました。それも不調の原因の1つを作ってしまっていました」

【次ページ】 「焦って投げていた」頃がヒント。

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