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大竹耕太郎は鷹の開幕ローテ当確?
ぶっつけ本番の投げ急ぎで大変身!
posted2019/03/13 10:30
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
投げるたびに目指す開幕ローテへ前進している。ホークスの2年目左腕、大竹耕太郎のことだ。
キャンプ地・宮崎での紅白戦2試合はいずれも無失点で、今季初対外試合となった2月28日のマリーンズ戦(宮崎アイビー)でも3回零封した。
そして迎えた3月6日、本拠地ヤフオクドーム・西武戦。大竹は気合がみなぎっていた。
「昨年、西武にはやられていたので、強い気持ちで臨みました」
育成ドラフト4位入団から這い上がって支配下登録直後だった8月1日の同カードで一軍デビュー。この日は強力レオ打線を相手に8回5安打2失点と好投してプロ1勝目を飾ったのだが、逆転優勝を狙った9月16日の対戦では先発で2回途中8失点ノックアウトという散々な結果に終わった。
さらに、その後のクライマックスシリーズ・ファイナル。チームは“下克上”を果たして歓喜に沸いたものの、大竹は中継ぎで登板して2試合連続で失点し「思うような投球ができない」とダグアウトで涙を流したのだった。
球の質は右肩上がりで良い。
屈辱は、結果で見返すしかない。3月29日からの開幕カードでも対する“宿敵”を相手に堂々たるピッチングで立ち向かった。山川穂高にソロを浴びたものの、内角を臆することなく攻めた。予定イニング3回を投げて1失点だけ。最後のアウトは秋山翔吾から、内角低め139キロ直球の見逃し三振で奪った。
「相手に的を絞らせていなかったね」と工藤公康監督はにやり。大竹は「僕は一軍が確約された立場じゃない。結果にこだわらないといけないのに、ホームラン(を打たれたの)は詰めの甘さ」と唇をかんだが、その一方で「球の質は右肩上がりで良くなっている」と確かな手応えもはっきりと口にした。
現状、ホークスの開幕ローテは、開幕投手内定の千賀滉大のほかに、左腕のアリエル・ミランダが当確ランプ。しかし、有力候補だったリック・バンデンハークは先日腰痛を再発させて首脳陣がローテ見送りを明言し、加えてキャンプ終盤の左脇腹痛で調整が遅れている東浜巨も実戦復帰こそ果たしたものの不透明な状態だ。
大竹は、同じく好投を続けるロベルト・スアレスとともに3、4番目に名前が挙がるところにいる。