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エジルは再びハッピーになれるか?
良き羊飼いエメリの起用法に注目。
 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/02/26 11:00

エジルは再びハッピーになれるか?良き羊飼いエメリの起用法に注目。<Number Web> photograph by Getty Images

屈指のプレーメイカーとしてアーセナルを引っ張り続けたエジル。エメリ監督はその能力を引き出せるのか。

エジルがいれば、と思わせる試合。

 他の強豪対決にしてもそうだ。エジルの出場時間が目に見えて減り始めた昨年12月以降、リバプール、マンチェスター・シティ、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドとの対決は1勝1分2敗。そしてリバプールとマンチェスター両軍との3試合で計10失点を喫した。

 エメリの目に「前線から守備を行う」姿勢が足りないと映るエジルがいなくともゴールを許し、むしろ攻めあぐねる展開で「エジルがいれば」と感じた印象の方が強い。

 不安定な守備は以前からの課題だし、揃って膝の靭帯を痛めたCBロブ・ホールディングと右SBエクトル・ベジェリンの長期離脱したという影響度の方が大きいだろう。そして、第3節からリーグ戦7連勝を含む無敗を続けた序盤戦では、エジルの起用法がエメリ体制の評価を高めた理由の1つでもあったことも忘れてはいけない。

 第4節カーディフ戦(3-2)は及第点の出来ながら、1-1で迎えた後半に積極性を強めて攻撃のテンポを速め、完璧なパスをアレクサンドル・ラカゼットの足元に通し、ピエール・エメリク・オーバメヤンによる2点目のきっかけを作り出している。第9節レスター戦(3-1)では、主将を任されたエジルが1ゴール1アシスト。文句なしのMVPだった。

 後半戦で唯一先発した第24節カーディフ戦(2-1)でも、エジルはキャプテンマーク付きで試された。そこそこのパフォーマンスだったし、これで見限られるような出来ではなかった。

不協和音を生み出すこともない。

 エジル不在時は、チャンスメイクでもオーバメヤンとラカゼットの両FWに負担がかかる傾向が見られた。それもあって最低でもナンバー10をベンチに置いておくべきと思われた。なおかつ当人が冬の移籍市場でも不協和音を生み出すような発言をしなかったことからも、エジルには戦力として扱われる資格がある。

 実際、4試合ぶりに先発した2月21日のBATE戦第2レグ(3-0)では、初戦のビハインドを克服してのEL16強進出に貢献した。

 プレーメーカーがスタメンに戻ったチームは、立ち上がりから実力差のある相手を圧倒する攻撃を展開。エジルも4-2-3-1システムの2列目中央から目敏くスペースを見つけ動き、さりげなく迅速にパスを繰り出し、左アウトサイドのアレックス・イウォビと頻繁に絡みながら攻勢の音頭を取った。

【次ページ】 「時には先発、時には控えで」

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