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<越境クロニクル 1998-2008>
中田vs.名波が魅せた雨中の「日本ダービー」。 

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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photograph byAFLO

posted2018/09/26 15:00

<越境クロニクル 1998-2008>中田vs.名波が魅せた雨中の「日本ダービー」。<Number Web> photograph by AFLO

2得点に絡んだ中田に負けず劣らず、名波も左足からの正確なパスで何度もチャンスを演出した。

「デルビー・デル・ジャポネ」

 ピンク色の紙面で知られるイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』に、印象深い見出しが躍った。直訳すれば「日本ダービー」だ。

 あれは1999年10月23日だから、19年前のことになる。イタリア・セリエA第7節のペルージャ対ベネツィアで初の日本人対決が実現した。

 中田英寿と名波浩だ。


 当時のセリエAと言えば、世界最高峰のリーグ。そこで日本屈指のタレントが相まみえることになったわけだ。当然と言うべきか、大変な数の日本メディアがスタジアムに押し寄せている。

 ペルージャに加入して2年目の中田はすでにチームの中心だった。一方の名波は、同年夏にジュビロ磐田からベネツィアへ加入したばかり。各々のチーム内における立場は、大きく違っていた。

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