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<ナンバーワンへの決意>
ルーカス・ポドルスキ
「恩返しがしたいんだ」
text by

手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byAsami Enomoto
posted2018/09/05 08:00

神戸にはもう一人、勝者のメンタリティを備えた者がいる。
日本文化を堪能しながらも、世界とのギャップを鋭く指摘。
かつて世界一も経験した加入2年目のキャプテンが、「アジアナンバーワン」実現に向けたビジョンを語る。
日本文化を堪能しながらも、世界とのギャップを鋭く指摘。
かつて世界一も経験した加入2年目のキャプテンが、「アジアナンバーワン」実現に向けたビジョンを語る。
好奇心旺盛で、時間ができれば、方々へ足を延ばす。近場だと六甲山、大阪、奈良、京都を訪れ、少し遠方だと東京が気に入った。ルーカス・ポドルスキの通訳を務めるために、14年ぶりに日本に戻った村上範和は、同行する先々で突っ込まれる。「ノリカズは日本人なのに、日本のことを何にも知らないじゃないか(笑)」と。
プロ野球は甲子園球場でも観戦し、阪神タイガースの糸井嘉男からサイン入りのバットを贈られた。小学生の息子とはテニスやバスケットボールを一緒に楽しみもする。それでも溢れ出すのはフットボールへの深い愛。プロサッカー選手としての強い誇り。
「世界ナンバーワンのスポーツはサッカーだ。ヨーロッパの多くの人たちは、日本も同じだと思っている。でも、実際は同じじゃない。ベースボールとの人気の差は、まだかなり大きいだろう。その差を少しずつ埋めていかなければならない」
スポーツ紙の1面が、なぜサッカーではないのか。村上に違和感を訴えてくるポドルスキの顔は悔しそうにも、悲しそうにも映る。プロ野球との差を、あるいはヨーロッパとの差を埋めていくためには、何が必要なのか。ヴィッセル神戸の代表取締役会長、三木谷浩史が目標に掲げる「アジアナンバーワンの、ヨーロッパでも通用するクラブ」へ、着実に前進していくためには?
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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