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<PL学園・後輩の思い>
立浪和義「清原さんのことが好きなんです」
text by

鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph byAsami Enomoto
posted2017/07/07 16:30

高校野球の名門で出会った2人は先輩、後輩であり、プロの世界では時としてその枠を越え、同志でもあった。尊敬する打者、愛すべき先輩への変わらぬ憧憬とは。
昨年3月の保釈後、清原氏はほとんど人に会わない生活を送る中で、何度か名古屋を訪れ、立浪氏に会っていたという。高校時代、無名の1年生という立場から見ていた甲子園のスーパースターの背中はどんなもので、それがどう変わっていったか。立浪氏は後輩としてずっと見守ってきた。
「去年、清原さんが名古屋に何度か来られた時にお会いして食事しました。清原さんも人に会うのは嫌だろうなと思ったんで、よく知っているステーキハウスに行きました。そこでカウンセリング施設に行かれているということや、他にもいろいろな努力をされていると聞きました。
(保釈後は)しばらく外に堂々と出られなかったじゃないですか、そういうことがストレスになっていたと思いますし、そうかといって人に会う気持ちにもなれなかったでしょうし。でも、自分たちとはああやって会ってくれました。事件の後は今まで優しかった人が離れていくとか、そういったことはあったでしょうし、相当、孤独だと思うんです。だから僕は清原さんを応援しようと。こういう時だからこそ。逆に清原さんの方が『こういう状況で俺と会ったら……』って気をつかわれたりしていました。すごく気をつかわれる人なんで……。世間の皆さんは怖いというイメージが強いと思うんですけど、実際はすごく優しい人なんで。