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<ミスターラグビーよ、永遠に>
大八木淳史「平尾、何やっとんねん」
text by

Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/11/14 08:00

華麗なるステップとパスワークで観客を魅了し、一時代を築いたラグビー界のレジェンドが、あまりにも、あまりにも早くこの世を去った。共に夢を追いかけ、共に戦った大八木氏が語る、誰からも愛された貴公子の素顔。
最後に会ったのは、去年の春から夏の間。新神戸駅の新幹線ホームでたまたま出くわしました。僕が勤務先でのトラブルをいろいろ報じられていた頃だったので、「大八木さん大丈夫なんすか? 手伝いますよ。ぼく学長にでもなりましょか?(笑)」「アホか、お前のギャラ高すぎて払われへんわ」――学生時代、お好み焼きを食べながらアホ言いあってたのと変わらない、いつものやりとりでした。様子も普段どおりでした。でも9月のW杯の解説としてテレビに映った時、痩せすぎやと感じました。その後、(具合が)よくないという話が入ってくるようになって……。本人は隠していたから、あえて直接訊くことはしませんでした。
平尾は僕の1歳下。兄弟でも家族でもないけれど、伏見工から同志社、神戸製鋼、日本代表と、ずっとチームメイト。現役時代は学校で、職場で、グラウンドでほぼ毎日顔を合わせていました。引退後はベッタリではなかったけれど、考えていることは何となく、互いにわかっていたような気がします。たまに会えば近況報告をし合う。それで十分。そんな不思議な関係でした。
グラウンドでの僕と平尾の関係を、漁師と寿司職人の関係にたとえた人がいます。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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