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スマホアプリは山岳遭難の救世主?
老舗『山と溪谷』も“推奨”に方針転換!
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![森山憲一](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/9/-/img_d9f3f8fd0318ee184ad6103e06fdda607288.jpg)
森山憲一Kenichi Moriyama
photograph byKenichi Moriyama
posted2019/02/06 17:00
![スマホアプリは山岳遭難の救世主?老舗『山と溪谷』も“推奨”に方針転換!<Number Web> photograph by Kenichi Moriyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/5/700/img_a54426ee8f7938b235edf428e9beaf7c151886.jpg)
41万ダウンロードされたアプリ「ジオグラフィカ」の地図画面と、雑誌『山と溪谷』2018年9月号。
スマホが使えない状況への備えは必須。
ただし、いいことばかりではない。
カーナビを利用するようになってから、道を覚えられなくなったという人は多いと思うが、地図アプリも同じだ。
登山で地図アプリばかりに頼っていると、自力で地形を読む能力は確実に衰えていく(これは私自身の経験からもそう感じる)。となると、スマホが壊れたりバッテリーが切れたりすると、その瞬間に登山者は無力化することになってしまう。
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このことへの対策としてはふたつある。
ひとつは、紙の地図とコンパスも必ず携帯して、万一の場合はそちらも使えるような技術と知識を身につけておくこと。
もうひとつは、スマホの故障やバッテリー切れを起こさないような対策を考えておくこと。落とさないようにストラップをつけたり、予備のモバイルバッテリーや充電ケーブルを用意したりすることがそれにあたる。
多くの登山者にとっては、後者のほうが現実的な道だろう。
長い登山の歴史のなかで培われてきた「地図読み」という特殊技術が、テクノロジーによって置き換えられていくのは個人的には寂しい思いもするが、トータルで得られる実りはそちらのほうが大きいことも、おそらく間違いないのだと思う。
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