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スーパーボウルに史上初の男性チア。
チアの歴史140年で実は原点回帰?
posted2019/02/09 11:30
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
UNIPHOTO PRESS
2月4日、アメフトの頂点を決めるスーパーボウルの舞台に、史上初めて男性のチアリーダーが上った。ロサンジェルス・ラムズ(以下ラムズ)のチアリーダー、クイントン・ペロンとナポレオン・ジニーズ。彼らはチームのメンバーとともに、晴れの舞台で満面の笑みでパフォーマンスを行った。
昨年3月に実施されたラムズのチアリーダーのオーディションには約300人が応募。オーディションはダンスとインタビューなど3週間にわたって行われた。
1次予選では開始と同時に振付け師の指導のもとで、ダンスレッスンを行い、すぐに披露。振り付けを覚えられなかったり、間違った人はすぐに振り落とされ、ここで100人近くが脱落。2次予選では数名のグループで振り付けを披露。ここでさらに100人近くがカットされ、勝ち残った76人が最終選考に。
そこからインタビュー、最終のダンス試験を経て、40人が選ばれている。華やかに見える世界とは裏腹に過酷な試験だったことが想像できる。
ペロンとジニーズは2人ともダンス経験者。ペロンはNBAの試合でチアリーダーを見て、自分もやってみたいと思い、チアリーダーの経験がある友人に連絡したところ、週末にラムズのオーディションがあることを知り、すぐに参加。トントン拍子で勝ち進んだ。
抜群のダンスの実力でメンバー入り。
チアダンスはポンポンを持った独特の動き、40人のメンバーと合わせて行うフォーメーションなど、ほかのダンスとは異なる要素が多くあり、オーディションでもそういったダンスを要求されている。
またチームによってはオーディション前にダンスレッスンを提供しており、そこに通っている女性も多数いる。しっかり対策している女性たちと比べると不利にも思われる条件の下、ペロンとジニーズ2人は抜群のセンスと身体能力を披露。話題性だけではなく、実力で栄光の座を獲得した。