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“セナ足伝説”の現代版か?
ハミルトン、1.4秒差勝利の超絶テク。

posted2018/11/19 08:00

 
“セナ足伝説”の現代版か?ハミルトン、1.4秒差勝利の超絶テク。<Number Web> photograph by Paul-Henri Cahier/Getty Images

1991年ブラジルGPでのマクラーレン・ホンダMP4/6に乗るアイルトン・セナ。若いホンダのエンジニアの姿も。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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Paul-Henri Cahier/Getty Images

 スーパースターと呼ばれるドライバーには、伝説といわれるレースがある。アイルトン・セナのそれは'91年のブラジルGPだろう。

 '88年と'90年にチャンピオンに輝き、さまざまなグランプリで勝利を飾ってきたセナだが、不思議なことに母国のブラジルGPでは、勝ち運に恵まれなかった。8回目の挑戦となった'91年、ポールポジションからスタートし、トップを快調に走行していたセナだったが、この年も不運が襲う。

 レース後半になって、ギアボックスがトラブルに見舞われてしまった。最初に3速を失い、次に4速、さらに5速も壊れたセナは、終盤は当時のF1マシンでは最も高いギアである6速だけでレースを続けるしかない状態に陥ってしまった。つまり、最後の数周はセナはシフトチェンジをまったく行わずに走っていたわけだ。

 ブラジルGPの舞台であるインテルラゴス・サーキットは高低差が大きく、しかも6速には不向きな低速コーナーがいくつもある。そんなコースを6速だけで走ったというエピソードには、当時のドライバーたちでさえ、「セナがまた大げさな話をしている」と嘲笑したものだった。

「セナ足」の動画がネット上にある。

 しかし、当時セナのチームメートであるベルガーのエンジニアとして現場にいたホンダの田辺豊治は、セナが最後の数周は6速だけで走りきったことは事実だと語り、こう述懐した。

「当時の車載カメラの映像が動画配信サイトにアップされていますから、それを見れば、わかりますよ」

 田辺が言うように、インターネット上で公開されている'91年のブラジルGPのセナの車載カメラの映像には、レース序盤は右手でシフトチェンジしているセナが、レース終盤にはステアリングからまったく手を離さないでコーナーリングしている様子が映っているのである。

【次ページ】 「セナ足」の伝説は本当だった。

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