卓球PRESSBACK NUMBER
卓球・Tリーグは世界的にも凄い!?
選手、観客数、国際比較で検証する。
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph by2018 T.LEAGUE
posted2018/11/01 08:00
開幕戦のセレモニーには水谷隼ら男女各チームの代表選手が参加した。
ドイツと比べてもTリーグは上々!?
60年近い歴史と人気を誇るドイツ・ブンデスリーガを見てみると、600人を集客する試合はなかなかないというのが現状だ。
現在、同リーグのTSVクニックスホーフェンでヘッドコーチを務める、卓球の名門・青森山田高校元監督の板垣孝司氏によれば、「一番人気のあるボルシア・デュッセルドルフのホームゲームでも入場者数は1,000~1,200人程度。その他のチームの試合は学校の体育館など小規模な会場を使っていることもあるが、400~500人が相場」という。それどころか少ない時には100人程度という試合もあるといい、ドイツでTリーグのニュースを聞いた板垣さんは、ブンデスリーガは集客を見越した予算規模を組んでいると前置きした上で、「Tリーグのお客さんの多さに驚いた。日本の卓球人気を嬉しく思うのと同時に、それがしっかり定着してほしい」と話していた。
これからの努力こそ最も大事。
以上の観点から課題は山積するものの、日本のTリーグは、まずは上々のスタートを切ったと言えるのではないだろうか。
Tリーグには実業団チームを退路を断ってプロ転向した選手や、東京2020五輪の日本代表争いに直結するワールドツアーの合間を縫って出場するトップ選手が数多くいる。そうしたリスクと期待を持つ選手たちが「日本にTリーグができて良かった」と思えるようなリーグに育てるのは、これからのリーグ側の努力であり、卓球関係者やメディアの後押しであり、ファンの応援にほかならない。
世界最高峰を目指すTリーグの歴史は始まったばかりだ。