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卓球・Tリーグは世界的にも凄い!?
選手、観客数、国際比較で検証する。
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph by2018 T.LEAGUE
posted2018/11/01 08:00
開幕戦のセレモニーには水谷隼ら男女各チームの代表選手が参加した。
ルールは好評。会場の盛り上げに課題。
これらのルールは選手たちに好評で、勝負がついてからの第4マッチに臨んだ水谷は韓国人選手のチョン・ヨンシク(T.T彩たま)に負けたものの、「接戦になって観客の皆さんに喜ばれるプレーができた」と話し、丹羽も「試合には負けたが、システム自体はいいと思う」と話していた。
また、6-6から始める最終ゲームについては、平野が「中国の超級(スーパー)リーグに参戦した時、最終ゲームを7点先取で決めるルールを経験した。観客の皆さんは短い時間で濃い内容の試合を見られるし、自分が観客の立場でも面白いと思う」と中国のプロリーグの例も挙げて評価した。
一方、松下浩二チェアマンはテレビ中継の枠や観客が飽きずに楽しめる時間などを考慮して「試合全体を2時間程度に収めたいが、開幕戦ではそれを超えてしまった」と指摘し、時間短縮を課題の1つに挙げた。また、「会場の盛り上げにもっと工夫が必要」とも。この点に関しては、試合開始前やゲーム間に選手の紹介や対戦成績、戦型の説明をするなど、初めて卓球観戦をする客層も楽しめる情報の必要性を感じた。
少ない観客動員数との報道も……。
新リーグの開幕にあたり懸念された要素の1つが集客だった。
リーグ側から発表された開幕戦5日間の入場者数は初日の両国国技館は5624人、翌25日は4572人。さらに26~28日は男子の試合が武田テバオーシャンアリーナ(愛知県名古屋市)、女子の試合はアリーナ立川立飛(東京都立川市)で行われ、3日間の入場者数は述べ8717人にのぼった。よって5日間の合計は延べ2万737人を記録している。
両国国技館を使うのは開幕2日間のみのため、今後の参考になるのはシーズン中にも使われる武田テバオーシャンアリーナとアリーナ立川立飛(東京都立川市)だ。
ちなみに武田テバオーシャンアリーナの入場者数は、最多が1636人、最少は601人。アリーナ立川立飛は最多が1711人、最少は603人だった。どちらの会場も収容人数2000人規模のため、600人程度では空席が目立った。この事態に関係者からもメディアからも「観客動員はTリーグの深刻な課題」という声があがったが、果たして本当にそうだろうか?