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卓球・Tリーグは世界的にも凄い!?
選手、観客数、国際比較で検証する。
posted2018/11/01 08:00
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph by
2018 T.LEAGUE
「卓球も大相撲のように、いつかは国技に」との願いから、開幕戦の舞台に選ばれたのは両国国技館。この大相撲の殿堂で10月24、25日に行われた男女の初戦は国内のみならず、海外リーグやワールドツアー、世界選手権などでも見られない、光と音、映像によるド派手な演出のオープニングセレモニーで幕を開けた。
選手たちの熱戦も観客を大いに沸かせた。それは26~28日の武田テバオーシャンアリーナ(愛知県名古屋市)、アリーナ立川立飛(東京都立川市)でも同様で、計5日間の開幕戦はおおむね盛況だった。
だが、その一方では運営面や観客動員に課題も見え、開幕戦の評価は賛否両論。
「世界No.1の卓球リーグの実現」を掲げるTリーグの船出は果たして成功だったのだろうか?
2019年3月まで全86試合が予定されるレギュラーシーズンの鍵となるであろう3つの観点から改めて開幕戦を振り返ってみたい。
Tリーグを巡る複雑な事情とは?
「日本初の卓球プロリーグ」を謳うTリーグは厳密にはプロアマ混合リーグである。
Tリーグの誕生には構想が持ち上がった2008年北京五輪直後から約10年の歳月を費やしたわけだが、当初は完全なプロリーグとして出発することを目指していた。しかし、約40年の歴史がある日本リーグ(実業団)との共存共栄を図り、日本リーグからもチームや選手の参戦を募ったことで、最終的に一部アマチュアも交える形となった。
そんな中、欧州で人気のドイツ・ブンデスリーガや卓球王国中国のスーパーリーグをしのぐ世界最高峰のプロリーグを日本で実現するため、Tリーグは参加チームに必ず1人は世界ランク10位以内相当の選手を入れるという高いハードルを課した。
その結果、リーグ初年度に名乗りをあげた男女各4チームにはいずれも五輪や世界選手権、ワールドカップといった国際大会のメダリストが加入。これにより日本の卓球ファンは世界のスタープレーヤーの試合を国内にいながらにして見られる幸運に恵まれた。