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U-19代表が難敵・北朝鮮を撃破。
久保建英らが狙うU-17W杯の雪辱。
text by

安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/10/22 12:30

直接FKで得点した直後、チームメイトたちとお互いを称え合った久保建英。
久保のFKで一気に流れを戻した!
65分、相手のDFラインとボランチのギャップで宮代は縦パスを受けると、素早いターンで一気に前に仕掛けた。このプレーに北朝鮮はたまらずファール。日本にFKが与えられた。
ゴールから約25mの右斜め45度の位置。
久保がボールをセットすると、「基本的にあの位置からファーを狙っても入らないと思ったので、ニアを狙いました」と、冷静に左足を一閃。ボールは壁の上を超えて、落ちながらゴール右隅に突き刺さった。
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ここでリードを奪った日本は、落ち着きを取り戻した。
73分には北朝鮮のFWキム・グッジンにペナルティーエリア内で決定的なシュートを放たれるが、2000年生まれのGK谷晃生(ガンバ大阪)が冷静にセーブ。相手に流れを渡さないビッグプレーを見せた。
そして90分にはクリアボールに抜け出した宮代がドリブルで仕掛け、対峙したDFを高速シザーズでかわすと、迷わず右足をひと振り。ボールはゴール左隅に突き刺さり、試合を決定づける4点目を叩き出した。
後半アディショナルタイム3分には、途中出場のMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)のゴールでダメ押し。終わってみれば、この重要な初戦を5-2で完勝した。
4つの世代、それぞれの思い。
「このチームにいる4つの世代には、いろんな思いがある。
(2000~2001年生まれは)U-17W杯でイングランドに悔しい負け方をしている。(1999年生まれは)下の世代の活躍を見ながら『自分達も今度こそ』と思っていた世代。(1999年の)早生まれで一足早くJリーグに入っている世代は、その違いを見せたいと思っているはず……そういったそれぞれの思いが、チームとして上手く融合してきていると思います」
試合後、影山雅永監督が語ったように、今回のU-19日本代表は実に「4世代融合」のチームだ。
重要な初戦では、冒頭で述べたように久保、斉藤、宮代、谷の2000~2001年の世代が試合を動かし、チームを勝利に導いた。