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U-19代表が難敵・北朝鮮を撃破。
久保建英らが狙うU-17W杯の雪辱。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/10/22 12:30
直接FKで得点した直後、チームメイトたちとお互いを称え合った久保建英。
久保、宮代、谷の因縁。
久保、宮代、谷は一昨年のAFC U-16選手権と、昨年のU-17W杯(ともにインド開催)に出場している。
AFC U-16選手権ではグループリーグを1位通過し、U-17W杯出場権を懸けた準々決勝ではUAEを相手に大熱戦を演じ、1-0の勝利を掴んで「天国と地獄を分ける一戦」を経験してもいる。
そしてU-17W杯ではグループリーグを2位で通過すると、決勝トーナメント初戦で優勝したイングランドを最後まで苦しめて、PK戦で惜しくも敗れている。
「イングランドのインパクトは凄まじかった。全てにおいてレベルが高くて、衝撃的だった」と宮代が語るように、スコアレスで90分間を戦い抜いてはいたが、世界トップレベルの実力を肌で感じ、まさに「本物の世界の凄さ」を経験した面々だ。
谷は「自分達の世代と(久保)建英は、アジア最終予選(AFC U-16選手権)とU-17W杯の経験値を持っているので、このチームに還元していかないといけないと思っています。そうやって今回(AFC U-19選手権)とU-20W杯を経験することで、さらに成長していけると思っています」と語る。アジア最終予選を戦う経験が初めての1999年世代に対して、自分達がいい刺激を与えることを役割として自覚しているのである。
「強烈な個が揃っているチーム」
斉藤もそのメンバーに選ばれていたが、直前合宿で負傷離脱し、前述した3人とは違った思いを味わった。実際に、国内最終合宿である千葉合宿ではこんなことを語っていた。
「(U-17W杯に出られず)本当に悔しい思いをしたので、しっかりと覚悟というか『やってやる』という強い気持ちをもってアジア最終予選に臨みたい。そういう気持ちを結果に繋げていきたい」
斉藤はそんな思いを胸に、難しい初戦で見事に有言実行してみせた。
「自分としては強烈な個が揃っているチームだと思う。その選手ができることをやった、当然の結果だと思います」(久保)
4世代間のそれぞれの思いが化学反応を起こす。
苦戦したが、初戦で難敵・北朝鮮を相手にそれを示したのはチームにとって非常にポジティブな要素だ。