“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
10年前のドラフトから考える楽天。
球団3年目の勢いが見えた下位指名。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2018/10/18 10:30
辛島航の目標は、数年前から「二桁勝利」なのだが未達である。安定してローテを任せられるまであと一歩なのだが……。
活躍するはずだった上位選手達。
3位井坂亮平(投手・住友金属鹿島)はドラフト指名される前年夏に右ヒジの手術を受け、出遅れが心配されたが、新人年の'09年から'11年まで3年間で7勝を挙げている。
プロ入り後は左足、右ヒジに故障が続き、'14年限りで引退。体の調子が良ければもっとやれた選手だったはずだ(黄色靱帯骨化症という難病と戦っていた)。
2位中川大志(内野手・桜丘高校)は入団時からチームに不足する“和製大砲”の役割を期待された。
プロ7年目の'15年に62試合に出場、44安打、5本塁打を放ちブレークの兆しを感じたが、'16、'17年は音無しに逆戻り。'18年、DeNAに移籍して2本のホームランを放っている。
この年の1位は最初に入札した野本圭(中日)を抽選で外したあと、外れ1位の藤原絋通(投手・NTT西日本)を阪神と競合した上で抽選にて獲得できた。
藤原は楽天がこの時期求めた左腕の技巧タイプで、ストレートよりカーブ、スライダー、シンカーのほうがよかった。
1年目に17試合に登板し、5勝4敗、防御率4.04を挙げ、前途に希望が見えたが、多くの即戦力タイプと同様、2年目以降に成績が落ち始め、通算成績6勝8敗でプロ野球人生を閉じた。