オリンピックへの道BACK NUMBER
アジアで金、女子柔道・角田夏実は
ケーキ屋さんになりたかった。
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2018/09/02 09:00

世界柔道代表は逃したが、アジア大会52kg級で金メダルを獲得。志々目、阿部らを追い落とし、東京五輪代表となるか。
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鼻骨骨折をボールペンで……。
彼女は精神力の強いファイターでもある。
例えば昨年の世界選手権は、大会前に右足甲を剥離骨折し、さらに鼻骨骨折の怪我を負っての出場だった。鼻骨骨折時には、自らボールペンを鼻に入れて形を整えて処置したという。
アジア大会も、ぎっくり腰を押しての試合だった。2年後を見据え、得たチャンスを逃したくないからこそ、怪我に負けるわけにはいかなかった。
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かつては想像すらつかなかった日本代表の地位にたどり着いた。だからいまは「柔道だけを頑張りたいです」と自覚する。引き下がるわけにはいかない。
「(2人の)やっと足をつかめたかな」
アジア大会優勝をそう捉える角田は、築き上げた独自の柔道スタイル、内面に秘めた闘志とともに、大舞台への切符をつかむために戦い続ける。
