野球のぼせもんBACK NUMBER
トーレスがヤフオクドーム始球式も?
ホークスとサガン鳥栖と鷹の祭典。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byYusuke Nakanishi / AFLO Sports
posted2018/08/01 07:00
トーレスも「鷹の祭典」ユニフォームを着用して、ベガルタ戦でプレーした。
サッカーファンは“色”を大切にする。
これがサッカーのサポーターの心も掴んだようで、初開催だった'14年7月23日(川崎フロンターレ戦)ではベアスタ史上最多の2万3277人の動員を記録。今年は1万7537人にとどまったが、悪天候だったことと、JR博多駅での落雷により鉄道がストップし観戦を断念せざるを得なかったファンが多数出たことが予想される(なおサガン鳥栖は、鉄道トラブルにより観戦できなかったファンのため返金、ユニフォーム引換を後日告知した)。
それでも、前のホーム試合(5月20日、FC東京戦)の1万2163人を大きく上回る動員に成功した。
ただ、サッカーは野球以上に、ファンがチームのカラーを大切にしている印象が強い。ブルーやピンクではないユニフォームを選手が着用すること、スタンドがその色で埋まることに対する挑戦的な試みだったといえる。
「大観衆が作り出すホーム感。歓声やどよめき、雰囲気、感動がスタジアムに連鎖するんです。我々としてもそのトライアルが最初は怖いところでしたが、そのポジティブな要素が、ネガティブを上回ったのではないかと感じています」(鳥栖・竹原社長)
背中にもビジネスチャンスが。
また、レプリカユニフォームを来場客に配布するという企画は、Jの他クラブにも広がりを見せた。ただ、あるクラブでは「背番号12」を背面にプリントしたのだが、ビジネスの観点でいえば、これは大失敗。ホークスの場合、背面は無地のままだ。
ユニフォームを貰ったファンは「タダで手に入ったし」とお気に入りの選手の背番号や背ネームを入れるために、その素材をグッズショップで購入し加工コーナーに並ぶ。「世界で自分だけのものを」とデコレーションを施すファンも多い。
一方でサガン鳥栖は5社のスポンサーロゴを並べている。この方法もプロスポーツビジネスの一例だといえる。
ホークスとしては、ヤフオクドームで開催する年間主催公式戦数は65試合程度であり、その数が劇的に増えることは考えにくい。ならばプロ野球の枠組みを超えたところで新しい分野に挑戦していかなくては、ビジネスは成長しないと考えている。