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日本代表に“トロイカ体制”の提案。
「ハジメマシテ」な新監督は勘弁を。 

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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posted2018/07/17 11:30

日本代表に“トロイカ体制”の提案。「ハジメマシテ」な新監督は勘弁を。<Number Web> photograph by Getty Images

西野ジャパンを現場で支えた手倉森誠、森保一コーチ。今大会を成功とするならば、内部昇格は自然な選択肢だ。

手倉森、森保両コーチの二人三脚ではどうか。

 それこそ将棋のように戦う者同士の手駒が量的にも質的にも「同じ」なら話は別だが、サッカーの場合は「違う」のだ。日本の強化にとって、世界標準の何が有効で、何がそうではないのか。せめて、そのくらいの峻別ができる指導者でなければ、代表監督の適任者とは言い難いような気もする。

 同じ外国の指導者でも、Jクラブを率いて成功を収めた人ならば、日本サッカーの事情に明るく、国内組への理解も深い。ゼロからスタートする新参者と比べて、はるかにハンディキャップは少ないだろう。ただ、日本の指導者と同様、Jクラブと契約中という意味ではやはり現実味に乏しい。

 だから、日本サッカーとは縁もゆかりもないが、それなりに名の知れた外国の指導者を連れてきて冒険する――という選択肢に傾きやすい。もっとも、それでベスト16に進めたのは「地の利」があった2002年日韓大会のフィリップ・トルシエただ1人だが。

 ならば、いっそ「トロイカ体制」にトライしてはどうか。手倉森誠、森保一両コーチに西野朗監督の跡目を継がせるわけだ。もちろん、変な争いや揉め事が起きても困るので、「主と従」の関係は明確にしたい。

 手倉森新監督、森保コーチ――このタッグで漕ぎ出してみる。厳密にはトロイカ体制ではないが、文字どおりの「二人三脚」で強化に当たるわけだ。日本代表の「継続路線」に異議がなければ、これが一番無理のない人事のように思われる。

西野監督を支えた経験は役に立つはず。

 手倉森監督は、世界大会で代表チームを率いた経歴を持っている。2016年のリオ五輪だ。思えば、西野監督も1996年のアトランタ五輪に指揮官として挑んでいた。独特の短期決戦を戦った経験が、今回のロシア大会で生かされた部分は少なくないだろう。

 一方の森保コーチは、2年後に控えた東京五輪の監督である。今回、西野監督や手倉森コーチと仕事を共にし、世界大会を戦い抜く上で必要な「知見」を数多く手に入れたのではないか。経験値の共有、引き継ぎは指導者同士の間にもあっていい。

 今後、日本代表は世代交代の時期に差しかかるが、リオ五輪や東京五輪両世代のタレント群をよく知る2人がフル代表の強化に関われば、メリットも大きい。1+1が2ではなく、3にも4にもなる特殊な関係、いわゆるケミストリーへの理解も深いはずだ。

【次ページ】 香川と乾のペアのように。

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