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スポーツ界への投資ブーム第2波。
楽天、SB、DeNAの頃と何が違う? 

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並木裕太

並木裕太Yuta Namiki

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posted2018/06/06 11:00

スポーツ界への投資ブーム第2波。楽天、SB、DeNAの頃と何が違う?<Number Web> photograph by Getty Images

湘南ベルマーレはRIZAPの傘下に入り、より積極的な補強が可能になった。企業にとって魅力的なチーム、リーグであることも重要だ。

広告効果よりも大きなスポーツの引力。

 Jリーグクラブのオーナーシップによる広告効果に目をつけ始めた、というわけではないように思います。先日、ライザップ創業者の瀬戸健氏と話す機会がありましたが、「ユニフォームの胸に会社のロゴを入れるつもりはない」と明言したうえで「投資の最低額として、まずは10億円。

 それによって経営がうまく回りだし企業価値が上がっていくのであれば、さらに投資額を増やしていくこともある」と説明していました。

 やはり経営者たちは、先述のサイキック・バリューに加え、Jリーグクラブを保有・運営することの事業的価値を一定程度は評価しているのでしょう。

 仮にクラブ経営がいまは赤字だとしても、それは許容範囲内であり、投資を思いとどまらせるほどのリスクではない、さらには黒字経営に持っていくことも十分に可能――経営者たちがそう考えるようになったこと、投資対象としてのクラブに対する安心感が増したことこそが、第1波の時代との違いなのだと思います。

 加えて言うならば、湘南の経営権取得発表を機にライザップの株価が上昇したように、スポーツ界への投資はさまざまな形で価値を生み出すことにもつながります。

サッカースタジアムはビジネスに有利?

 今後のポイントは、第1波の企業群と同じく「スタジアム」になってくるでしょう。

 クラブ経営の現状を見る限り、スタジアムをビジネスにうまく活用しないと飛躍的な成長を実現することは難しいと感じるからです。

 すでに報じられているとおり、ミクシィとFC東京が代々木公園付近を第一候補にサッカー専用スタジアムの建設計画を検討しているのも、そこに大きな成長余地を見出しているからこそでしょう。

 サッカーは野球に比べ、スタジアムビジネスを展開するうえでは有利な点がいくつかあります。

 1つは試合数の少なさ。スタジアムを競技以外の用途で使用できる日数が多くなるため、イベント等のために貸し出すことで“稼ぐ”余地が大きくなると考えられます。

 もう1つが形状です。長方形のサッカーグラウンドは、扇形の野球場よりも競技以外に転用しやすいと言えます。

 こうした利点を生かしてライブなどを積極的に誘致するスタジアムビジネスは、クラブ経営の成長性を考えると極めて重要な施策です。

【次ページ】 欧州では人工芝を導入するところも。

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