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昨年準優勝の川崎を千葉が制す。
エース富樫勇樹が見せた“有言実行”。
posted2018/05/15 18:15
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
明確な軸があるからこそ、次の一手を打てる。そんな千葉ジェッツのカルチャーを象徴するゲームだった。
Bリーグのプレーオフであるチャンピオンシップ(CS)では準々決勝と準決勝は2日間で行なわれる変則的なフォーマットだ。2勝したチームが次のステージに進めるのだが、2日目に行なわれるGAME2を終えた時点で1勝1敗なら、前後半5分ずつの特別ルールによるGAME3で勝ち抜けを決める。
GAME1では千葉が第1Qからアグレッシブな守備から得意の速攻を繰り出して、87-65で勝利。翌日のGAME2では1Qこそ同点で推移したものの、川崎ブレイブサンダースが千葉の良さを徹底してつぶしてきたことで、ジリジリと差を広げ、71-61で終わっていた。
1勝1敗。
そこから20分のインターバルを迎え、両チームはロッカールームへと引き上げた。
セオリーに当てはまらない選手が2人……。
千葉のヘッドコーチ(HC)である大野篤史は、当初、富樫勇樹、石井講祐、小野龍猛、マイケル・パーカー、ギャビン・エドワーズを送り出そうと思っていた。
GAME1で先勝したチームがGAME2で劣勢に立たされたときに、直後に行なわれるGAME3のスタメンでプレーしそうな選手をベンチで休ませるシチュエーションはよくある。昨シーズンの王者栃木ブレックスが準決勝を突破したのもそうだ。
しかし、そのセオリーに当てはまらない選手が2人いた。
まず、チームのキャプテンの小野。リーダーとして、指揮官は全幅の信頼を寄せる。苦しい状況に立ったからこそ、大野HCに迷いはなかった。
そして、エドワーズ。このチームで最も調子の波が少ない選手であり、チーム得点王だ。