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昨年準優勝の川崎を千葉が制す。
エース富樫勇樹が見せた“有言実行”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2018/05/15 18:15
観客は満員の5108名。ブースターの大声援を受けて、千葉は天皇杯に続く二冠の達成へと進み続ける。
長くコートに立たせた選手達には理由があった。
なぜ、彼らを引っ張ったのか。
GAME2では40分のうち、小野は両チーム最長の37分6秒コートに立たせた。その意図について、こう語る。
「(小野)龍猛にしても、調子が悪かったんですけど、彼が責任を取るという覚悟をもっているのもわかっている。一見するとやる気がみなぎるタイプには見えないかも知れないですけど、気持ちはすごく熱いヤツですから」
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さらに川崎に追いつけない中でも、指揮官には冷静な計算があった。
「歯車がかみあえば、勝てる試合だったと思っていたので、実際に(小野やエドワーズを)引っ張っていました。勝てませんでしたが、(GAME2で)我慢比べをする形になったからこそ、ファジーカスを30分以上使わせられたと思います」
センターを務めるエドワーズのプレータイムは2番目に長い35分9秒を記録した。その一方で、GAME2を落とせない川崎のチーム得点王ニック・ファジーカスも33分55秒もコートに立つことになった。
「ギャビン(・エドワーズ)とファジーカスがともに35分近くプレーしていたら、ギャビンのほうがダメージは少ないと思ったんです。
彼は良いコンディションを保つために本当に努力しています。スキルではファジーカスが上かもしれないですけど、アスレティズムの部分を考えれば、僕らのほうに分があるかなと思っていました」
またシューティングガードの石井の活躍も大きかった。シーズン終盤になって守備とリバウンドでの貢献度は増し、何より、レギュラーシーズン最後の2試合で、今シーズンの自己最多となる16点をマークするなど、調子が良かった。
チームスローガンの「Be Professional」。
小野はチームのオフェンスと、精神面を落ち着かせてくる。
エドワーズは「アグレッシブなディフェンスから走る」というチームとしての理念を体現する選手だ。
石井は「スタートでもベンチでもチームに貢献できるのは僕の強みであると思う」と語るなど、常に最高の準備の出来る、「Be Professional」というチームのスローガンを象徴する選手だ。
それだけの軸があった。だから、応用が効く。