【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
総観客動員数15万人を突破した、
Bリーグ千葉が見据える来季。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byB.LEAGUE
posted2018/05/12 08:00
4月7日のシーホース三河戦では船橋アリーナの通算入場者数が20万人を突破している。
船橋アリーナは毎試合ほぼ満員。
ホームの船橋アリーナは今シーズン、1試合平均5000人強の観客を動員し、毎試合ほぼキャパシティに対してフルの状態。多くのお客様に足を運んでいただいていますが、収容人数に限界が来ている分、考えなければいけないのが今後のチケット料金です。
来季は一部、コートサイドやVIP系の席の値上げや、自由席を指定席ゾーンにするなどの対応がすでに確定しています。
かわりに、リピーターの方々が購入される席はほぼ現状維持、自由席は値下げする予定です。キャパシティを考慮すると、将来的にはチケット代を値上げして売上を確保していくことも検討せざるを得ませんが。現段階では法外な値上げは予定していません。
キャパシティという点でよく言われているのが箱、アリーナ問題です。
今あるキャパを満員にできないくせに何を言っているんだと捉えられかねないですし、「全試合ホームゲームは満員で立ち見続出」を達成してからアリーナのことを語ろうと考えていました。
今、まさにジェッツはそういった状況を作り出せているわけですが、実はアリーナを大きくすることの価値を見出せていない、というのが私の正直な気持ちです。
アリーナ建設にかかるお金は税金になる。
たとえば、すでに1万人収容の箱があるのであれば、もちろんありがたく使わせていただくでしょう。ただ、これから1から計画し、建設するというのであれば話は別。
仮に行政が50~150億をかけて、1万人収容できるアリーナを作ると仮定しましょう。その「50~150億」という費用はどこから捻出されるのかといえば、市民の税金も含まれます。ということは、市民の未来、これから生まれてくる子どもたちに負担をさせてしまうことになってしまうわけです。
ジェッツが建設費用を凌駕するような莫大なアリーナ使用料を毎試合払ったり、うちがアリーナを使わない間は毎週のように外国人タレントが来日してライブを開催するという状況は果たして現実的なのか。いずれも現状では考えづらい事案ですし、地域に密着し、地元で生きていく我々にとって、果たしてそれが本質的に是なのか非なのかは真剣に考えなければならないと感じています。
また、チケット代や試合開催にかかるコストを細かく計算し、観客動員数だけではない原価、収益構造を考えた場合、果たして、5000人と10000人とで売上の優位性は出るものの、収支上の優位性がどこまででるのか懐疑的です。