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Bリーグ平均入場者2位は北海道!
レジェンド折茂武彦が語る運営術。
posted2018/04/13 11:15
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
B.LEAGUE
レバンガ北海道が好調だ。3月にリーグから発表されたB1の平均入場者数ランキングでは、昨季の平均より約1000名多い3716名を記録した(※B1リーグ第26節終了時点での平均入場者数も3726名を記録)。
これは圧倒的な動員力を誇る千葉ジェッツに続く2位の成績だ。
3月の理事会では大河正明チェアマンも、「よく立ち直ったとの意見が理事会でも上がりました。今シーズン半期で黒字、集客も好調で債務超過解消の目途が立っています」と評価している。今シーズンはまだ終了してはいないが、2016-'17シーズンのB1平均入場者数全体7位という数字から見ても、着実な成長ぶりがうかがえる。
さらに来季B1残留に必要なクラブライセンス交付条件もクリアした。
実は昨年6月期の段階では2億円を超える債務超過を抱え、ライセンスの交付にも時間を要した。しかし、今年は3月中旬に行われたリーグ理事会での資格審査でもリーグ側に提出した資本計画が認められ、今期末で解消できると判断され、一発でB1クラブライセンスが交付された。
経営の“け”の字も知らなかったが。
さかのぼること7季前の2010-'11シーズン。当時、折茂武彦が所属していたチームの運営会社が経営不振によりリーグ(JBL)から除名処分を受けチームが消滅。それを受け、北海道にプロチームを残すために新たなクラブ「レバンガ北海道」を立ち上げた。折茂はそのトップに就任し、現在も代表を務めている。
「経営の“け”の字も知らず、経営の勉強をしたこともなかった自分が、いきなり飛び込んだわけですからね。恐怖心はありませんでしたが、(経営を)始めてから、“これはちょっとすごい次元のことをやり始めてしまったんだ”ということに気づきました」
選手としてトレーニングを行う傍ら、スポンサー探しのために北海道中を奔走し、何度も頭を下げた。ときには資金繰りに行き詰まり、私財を投げ打ったこともある。
「あれだけの債務を抱えてしまったのは自分の責任です。私が不甲斐ないばかりにそういった結果を招いてしまった。レバンガを応援してくださる多くの方々に迷惑をかけてしまいました」
社長業と選手業を並行しながら、過去の苦い経験を糧に組織を立て直し、レバンガを成長著しいチームへと変化させた。
では、今季観客動員が好調な理由は一体何なのか。折茂からは意外な言葉が返ってきた。