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桜花賞にかかる「61年ぶりの偉業」。
無敗+2歳女王のライラック出陣。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/04/07 17:00
圧倒的一番人気のラッキーライラックだが、陣営にとっても望んではいなかった最内の1枠1番。果たして結果は?
内枠はデータでは不利だが……。
父がオルフェーヴルというと、気難しくて扱いづらいイメージがあるが、松永調教師によると「普段から落ちつきがあり、ムダな力を使わず、扱いに手こずることはない」という。
デビュー戦からすべてのレースで手綱をとってきた石橋脩も「よくしつけをされているし、性格もいい」とコントロール性の高さに自信を持っている。
追い切りで反応の鋭さを確認できたし、事前発表された馬体重も前走からプラス10キロといい状態だ。
唯一の不安材料を挙げるとしたら、未経験の1番枠を引いたことか。現在の外回りコースになった'07年以降、連対馬が1頭も出ていないのも嫌なデータだ。
それでも、内目の5番枠から出た前走のチューリップ賞のように、好位から自分で動いて勝ちに行く競馬をするぶんには、かえって好都合と言える。近くを走る馬に序盤からそれほど速い馬はいないので、道中、馬群の切れ目かポケットに誘導すれば、力を発揮できるだろう。
61年ぶりの「完全女王」誕生を。
ということで、結論。
◎ラッキーライラック
○アーモンドアイ
▲マウレア
△リリーノーブル
×レッドレグナント
注プリモシーン
阪神ジュベナイルフィリーズとチューリップ賞で1~3着となったラッキーライラック、マウレア、リリーノーブルの間に、シンザン記念で牡馬を圧倒したアーモンドアイが割って入る図式と見た。
それはいいとして、ラッキーライラックを含む8頭がノーザンファーム、6頭が社台ファーム、2頭が白老ファームと、出走馬18頭中16頭が社台グループの生産馬だ。ほかの牧場で生産されたのはスカーレットカラーとマウレアだけなのだが、前者の父は社台ファーム生産のヴィクトワールピサ、後者はノーザンファーム生産のディープインパクトと、社台グループに無関係の馬はゼロである。
ここまで多くなっても「迷ったらノーザンファーム」の鉄則に従い、マウレア以外はノーザンファームの生産馬に印を打った。
牡馬クラシック戦線は、ダノンプレミアムの皐月賞回避によって混沌としてきたが、牝馬戦線の上位は、さほど大きく変わらないはずだ。
61年ぶりの「完全女王」誕生を期待しつつ、ゲート入りを待ちたい。