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桜花賞にかかる「61年ぶりの偉業」。
無敗+2歳女王のライラック出陣。
posted2018/04/07 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
はたして、61年ぶりの偉業は達成されるのか――。
牝馬クラシック第1弾、第78回桜花賞(4月8日、阪神芝外回り1600m、3歳牝馬GI)に、無敗の2歳女王、ラッキーライラック(父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)が出走する。
これまでの77回の歴史で、無敗で桜花賞を制した馬は1941年ブランドソール、'57年ミスオンワード、'81年ブロケード、'90年アグネスフローラ、'91年シスタートウショウ、2004年ダンスインザムードの6頭。
2歳女王(最優秀2歳牝馬)となってから桜花賞を勝った馬は'57年ミスオンワード、'59年キヨタケ、'75年テスコガビー、'76年テイタニヤ、'86年メジロラモーヌ、'92年ニシノフラワー、'01年テイエムオーシャン、'09年ブエナビスタ、'10年アパパネの9頭(年度代表馬などを表彰する「啓衆社賞」が制定された1954年以降)。
これを見ておわかりのように、無敗で2歳女王となり、そのまま全勝で桜花賞を制した馬はミスオンワードだけだ。6戦6勝で桜花賞を制したミスオンワードは、8戦8勝でオークスも勝ち、無敗の二冠馬となった。
絶対視された2歳女王が2年連続で敗退。
4戦4勝でここに来たラッキーライラックが勝てば、そのミスオンワード以来61年ぶり、史上2頭目の「無敗で桜花賞を制した2歳女王」となる。
レース史上1頭だけという出現率の低さ。繊細で気難しく、心身ともに不安定な3歳春の牝馬が「完全女王」となるのは、やはり難しいのだ。
昨年、同じく無敗の2歳女王として桜花賞に出走したソウルスターリングは単勝1.4倍の大本命になりながら3着に敗れた。また、一昨年、5戦4勝で桜花賞を迎えた2歳女王のメジャーエンブレムも、単勝1.5倍の圧倒的支持を得ながら4着に終わった。
ここ2年つづけて絶対視された2歳女王が敗れているのは、ラッキーライラックにとって嫌な材料だ。しかし敗れた2頭はともに関東馬で、連続する長距離輸送がこたえた可能性がある。「ホーム」で戦える関西馬のラッキーライラックには、その心配はない。