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ドラフト視点で選抜ベスト9を選出。
やはり2018年はショートが豊作だ。
posted2018/04/03 07:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
甲子園球場で行われているセンバツ大会、各種データからドラフト候補となりそうな選手からベストナインを考えてみた。
投手でストレートが140キロを超えたのは初戦を終えた時点で23人いた。特に目についた4人は、147キロを計測した井上広輝(日大三2年)、146キロの市川悠太(明徳義塾3年)、144キロの柿木蓮(大阪桐蔭3年)と奥川恭伸(星稜2年)という顔ぶれになる。
井上と奥川はコントロールにこそ課題はあるが、伸びのあるストレートとスライダー、チェンジアップにも光るものがある。市川はサイドハンドにありがちな体の開きの早さがなく、初戦の中央学院戦は7回まで無四死球の1失点、3回戦の日本航空石川戦は8回まで散発3安打に抑える好投を見せた。
ただ中央学院戦は8回に4四死球と2本のタイムリーで4失点、日本航空石川戦は最終回にサヨナラ3ランを打たれるなど終盤の安定感を身につけられるかが今後問われる。
内外、高低を使える柿木のコントロール。
私が大会ナンバーワンと評価したのは柿木だ。初戦の伊万里戦は先発して6回2安打無失点、10三振を奪った。注目したのはコントロールの良さだ。右打者に対しては外角低めで追い込み、内角高めのボール気味のストレートで仕留める。また左打者には内角に縦変化のスライダーを投げ込んで空振り三振を奪っていた。
ストレートとスライダーの2球種を内外角、高低に投げ分け、この試合では最速144キロを計測し、自己最速は147キロ。今年のドラフト上位候補と言っていいだろう。
捕手は例年だと「二塁送球1.9秒台」クラスの強肩が数多く顔を揃えるが、今年は少なかった。センバツ前に開催されたの社会人野球のスポニチ大会でも同じような傾向があり、今年は強肩捕手が少ないのかもしれない。
そんな中、注目したのは「イニング間の二塁送球タイム」である。