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カーリングの精神を示す大切な言葉。
「コンシード」を定着させた中継陣。
posted2018/03/06 08:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Ryosuke Menju/JMPA
オリンピックが終わって1週間。
「カーリング・ロス」に陥っている人もいるのではないだろうか?
でも、嘆くことはない。3月17日からはカナダのノースベイで女子の世界選手権、3月31日からは男子の世界選手権がアメリカのラスベガスで行われ、日本でも中継の予定がある模様だ。
平昌オリンピックのカーリング中継についていえば、テレビの映像としては“poor”だった。カーリング中継は、天井からのカメラで定点観測することが基本だが、今回はシート横の移動カメラの映像を多用したため、ストーンの位置が見づらくて困ってしまった。
ただし、これは日本のテレビ局が作った映像ではないので、お間違えなく。カーリングの国際映像を作ったチームの責任です。
ただしオリンピックの映像でも、シートAだけは天井からの映像が多く、やはりディレクター次第だと思った。
アナウンサーが定着させたコンシード。
日本の中継のファインプレーは、中継アナウンサー陣が「コンシード」という言葉を定着させたことだ。
コンシード。これは、カーリングにおいて終盤で点差がついてしまった時に、負けを認めて相手に握手を求めることを指す。
これまでカーリングの中継では、「ギブアップ」と「コンシード」が混在していたが、今回の中継でコンシードに統一されたことを大いに評価したい。
コンシードconcedeを英和辞典でひいてみると、こういった意味が出てくる。
1 譲歩する。
2 《主に米国で用いられる》 (選挙などで)敗北を認める。
【語源】
ラテン語「完全に譲る」の意 (CON‐+cedere 「立ち去る、譲る」); 名詞 concession、形容詞 concessive
(Weblio 英和和英辞典より)