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フィギュアロシア勢、五輪への思い。
「国旗ではなく自分が出場すること」
posted2017/12/12 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
12月5日(現地時間)、国際オリンピック委員会(IOC)は、かねてから問題となっていたロシアの組織的なドーピング不正に関し、平昌五輪に国としては参加させないこと、クリーンであると認められた選手のみ、個人として参加することができるとする結論を出した。
2014年のソチ五輪では、インドが国内五輪委員会の汚職にまつわる処分から参加禁止となり、3人の選手が個人の資格で参加した。冬季大会ではそれに続いての処分だが、冬季競技の大国であり、ドーピングという内容も含めて影響の大きさは前回の比ではない。
IOCの結論が出た直後の開催となったフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは、あちこちでその問題について言葉が交わされる場となった。また、男女それぞれに複数のロシアの選手が出場していたこともあって、ロシアの選手たちに質問がぶつけられることになった。
五輪への出場意欲を表明する選手も。
女子で2位となったマリア・ソツコワは、試合に先立つ公式練習後に「コメントできません。今はファイナルがあるので、オリンピックのことは考えていません」と語り、優勝したアリーナ・ザギトワはショートプログラム後、「この質問に関してはノーコメントでお願いします」とした。
それに対して男子の2名の言葉は、率直な胸中を表しているようだった。
今シーズン4回転ルッツ成功者となり、中国杯でGPシリーズ初優勝。初出場を果たしたGPファイナルで3位となった22歳のミハエル・コリヤダはこう言った。
「大事なのは国旗がどうかということではなく、自分が出場できるかどうかだと思います。どこの国かは関係ありません。出場することが大事です」