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琉球はBリーグの地域格差を覆すか。
全国から選手、監督が集まる理由。

posted2017/10/14 09:00

 
琉球はBリーグの地域格差を覆すか。全国から選手、監督が集まる理由。<Number Web> photograph by Kyodo News

沖縄は米軍基地の存在もあって、バスケットボールとの距離が近い。その土壌はゴールデンキングスの大きな財産だ。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Kyodo News

 沖縄にとってだけではなく、これは日本全体にとって興味深い取り組みではないのか。

 そんなことを感じさせるムーブメントが巻き起こりつつある。主役は、琉球ゴールデンキングスである。

 2シーズン目を迎えるBリーグ開幕前、話題の中心は彼らだった。

 シーズン前に大量8人の選手を放出する一方で、大量補強を敢行したからだ。栃木ブレックスから昨季のチャンピオンシップファイナルMVP・古川孝敏と守備が魅力の須田侑太郎を獲得。さらに千葉ジェッツで活躍したヒルトン・アームストロングや日本代表の帰化選手であるアイラ・ブラウンも加わった。

 そして、ヘッドコーチ(HC)には、6月まで日本代表でアシスタントコーチ(AC)を務めていた佐々宜央を呼び寄せている。

 佐々HCは、弱冠33歳だ。昨季Bリーグでチャンピオンシップベスト4に進んだアルバルク東京の伊藤拓摩HCは34歳だったし、NBAでも30代のHCが増えている。実は他の競技でも、サッカーではドイツの28歳のユリアン・ナーゲルスマン監督が評価を上げている。選手としての経験よりも、早い時期から指導者としての経験値を積むのが、昨今のスポーツ界のトレンドである。

琉球で守備の整備に手をつけた佐々HC。

 佐々HCは、現在の代表にも名を連ねる古川やアルバルク東京の竹内譲次や田中大貴も卒業した東海大学で、1年次から学生コーチを務めた。4歳から12歳までシカゴで育っており、ブルズの初優勝を含む最初のスリーピート(3連覇)目撃者である。栃木ブレックスのアシスタントコーチを経て、今年の6月までは日本代表のコーチ、そして今年琉球のHCに就任した。

 彼が琉球で手をつけたのは、第一に守備の整備。攻撃については変革ではなく、昨季まで積み上げてきたスタイルからの進化をかかげている。

 シーズン前に行なわれたミニトーナメントのアーリーカップでは、優勝を飾った。

 しかし、開幕戦の渋谷との2試合では1勝1敗。とりわけ、初戦は4Qに4-28と大失速して、いきなりの黒星スタートだった。

【次ページ】 初戦で記録した32ものアシストには、秘密が。

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