話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
今野に認められ、麻也からも学ぶ。
三浦弦太は次代のDFリーダー候補。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/09/20 07:00
大阪ダービーで決勝点を奪い喜びを爆発させる三浦。風格も徐々に備わりつつある。
攻撃のバリエーションの少なさには難しさを感じる。
昔からガンバは“いい攻撃がいい守備につながる”と言われてきた。調子のバロメーターは守備から攻撃に転換する迫力を見ればすぐ分かったが、大宮戦はチャンス数が少なかったように、たたみかける攻撃が数少ない。チーム戦術として縦に速い攻撃を標榜しているが、それ一辺倒ではなかなか相手を崩せない。遠藤保仁が途中から入って攻撃に変化をつけていたが、そもそもの攻撃の型、バリエーションが少ないのだ。
「攻撃の迫力はもうひとつですね。相手の前でボールを回しているだけで、あまり恐さがないなと思うので、もっとフリーの状態の時に勝負のパスを入れてもいいかなって思います。テンポよくボールを回したり、ゴール前でワンタッチでリズムを作ったり、そういう工夫をしていけばガンバの攻撃の良さがもっと出てくると思うんですが……」
ただ、三浦自身は開幕から大宮戦までの全26試合でスタメンフル出場中で、DF陣の中心選手に成長した。
「麻也さんと話してレベルアップすべきはフィジカル」
前述した大阪ダービーでは勝ち越しゴールを決めて勝利に貢献。5月には日本代表に初選出され、8月にはロシアW杯最終予選のオーストラリア戦、サウジアラビア戦にも招集された。試合出場こそ叶わなかったが、間近で感じた最終予選の試合や代表選手の言動は大きな刺激になった。
「麻也(吉田)さんと話したり海外の試合を見る中で、自分がレベルアップしないといけないなって思うのは、フィジカルです。どんな状況でも1対1で負けないとか、大きな選手にも当たり負けしないとか、そういう部分が海外でプレーするセンターバックには必要だと思う。やっぱりいずれ海外でプレーしてみたいですし、そのためには今からフィジカルをしっかり上げていかないといけない」
サウジアラビア戦はベンチに入ることができず、スタンドから試合を見た。悔しい思いをしたが、やはり国際舞台に立ってプレーしたいという思いが強まった。それはその時ふと思ったのではなく、以前からその思いが強かった。
三浦は2014年、U-19選手権ミャンマー大会でU-19日本代表として南野拓実や井手口らとU-20W杯出場を賭けて戦った。惜しくも北朝鮮にPK戦で負けて出場権を獲得できなかったが、国の代表として戦う国際試合は、やはりリーグ戦とは異なる特別な面白さがあるという。