濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
AKBメンバーの試合に聖地熱狂!
『豆腐プロレス』興行という脅威。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by(C)WIP2017製作委員会(C)AKS
posted2017/09/01 08:00
メイン後の4人。写真左から、道頓堀白間、ハリウッドJURINA、チェリー宮脇、ロングスピーチ横山。JURINAは「いつ何時でも誰の挑戦でも受ける」とコメントを残した。
『豆腐プロレス』はこれからも続いていく可能性が!?
エンディングからしても『豆腐プロレス』の世界が続いていくことに期待するファンは多いだろう。
仮に年数回のドラマ特番と興行開催が継続するとして「プロレスでの活躍(頑張り)によって知名度や総選挙の順位を上げるメンバー」が出てくる可能性だってある。
そして興行が続けば、既存の女子団体が軒並み“食われる”ことだってあるかもしれない。
練習と試合を重ねればクオリティは上がっていくだろうし、そもそも現時点で松井珠理奈以上に“客を呼べる”レスラーなど誰もいないのだ。
これが“偽物”なら“本物”とは何なのか?
選手や関係者、古株のファンが「あんなものプロレスじゃない」と批判するのは簡単だ。
ただその場合、「どんなもの」がプロレスなのか、プロレスのプロとは何かを問い直す必要も出てくる。
練習量か、受け身のうまさなのか、全団体共通の“プロ”の基準なんて本当にあるのか。
体が大きいのは武器になるが、女子プロレスは超人や怪物ばかりで“もつ”世界なのか。
あくまで強さが大事だと言うのなら「身内だけでやってないでUFCでもRIZINでもぜひ。できればアマチュアMMAからどうぞ」という話にもなってくる。
「自分は実際それをやっている」と胸を張っていい選手は、ごくわずかだ。
プロレスそのものが「あんなもの」と言われ続けてきた。
昭和の時代には新日本プロレスが全日本プロレスを批判した。
ジャイアント馬場を批判したアントニオ猪木も、体力が衰えると批判された。
その後もメジャーがインディーを批判し、デスマッチやアメリカンプロレスのエンターテインメント路線を否定するファンもいて、いつでも誰かが何かを「あんなもの」と言っている。
プロレス自体、世間から「あんなもの」と言われ続けてきたのに。