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F1ライセンス取得条件は厳しすぎ?
リザーブドライバー不在に見る問題。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2017/08/13 08:00
F2ハンガリーGPで優勝を飾り、そのままザウバーでF1合同テストに参加した松下信治だが、F1デビューへの道はまだ険しい。
F2で戦う松下信治にも厳しい条件がつくことに。
例えば、現在F2を戦っている松下信治は、現在のシステムでは今年ランキング2位以上を獲得しないとスーパーライセンスを取得できないが、現時点でランキング6位と厳しい状況が続いている。だが、ハンガリーGP直後に行われたF1の合同テストではザウバーのマシンを難なく乗りこなしていた。
それで即、松下にF1ドライバーになる資格があると断言はできないが、厳しすぎるスーパーライセンス取得条件によって、はじめからその「芽」を摘む必要はない。
現行のスーパーライセンス取得条件がもし正しかったら、F1ドライバー・フェルスタッペンは誕生していなかったのだから。
小林可夢偉のような道を開くために、何が必要?
2009年のブラジルGPで、前戦日本GPで負傷したティモ・グロックの代役としてF1デビューした小林可夢偉。彼はその年のGP2(現在のF2の前身)ではランキング16位に終わっていたが、テストドライバーとしての仕事も評価対象にしていた当時のFIAの規約によって、スーパーライセンスを取得していたため、運を開くことができた。
テストが規制されている現在のF1でこういったデビューを可能にするには、金曜日にサードカーを走らせるしか方法はないだろう。これには、もうひとつのメリットがある。
現在パワーユニットで後れを取っているホンダの開発への後押しだ。サードカーに搭載するパワーユニットは年間の基数制限と関係なく使用できるようにすれば、開発をスピードアップさせるチャンスが生まれる。
ハンガリーGP直前に、いったん発表されたザウバーとの提携を解消したホンダ。セカンドチームを探すことも大切だが、レギュレーションの見直しをFIAに働きかけるのも、この世界では勝負のひとつであることを忘れてはならない。