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ダルビッシュとカッターの増加。
必殺のスライダーを生かす投球術。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/05/13 07:00

ダルビッシュとカッターの増加。必殺のスライダーを生かす投球術。<Number Web> photograph by Getty Images

豪速球と多彩な球種を使い分けるダルビッシュ。2017年、進化のキーワードは「カッター」となり始めている。

縦の変化よりも横の変化を重視する方向にスイッチ。

 たしかに'13年の彼は、スライダーを極端に多投していた。1年目は18.0%だった比率も、2年目には37.3%に跳ね上がっている。これとは逆に、ツーシームやスプリッターの割合は、1年目のほうが高い。

 両者の1年目の合計比率が24.2%だったのに対して、2年目の合計比率は13.2%に低下している。いいかえれば、2年目のダルビッシュは、縦の変化よりも横の変化を重視する方向にスイッチしていたと考えられる。

明らかにツーシームの割合が減っている。

 話を現在に戻そう。

 statcastのデータによると、今季のダルビッシュが4月に投げた618球中、6つの球種の内訳は以下の通りだ。

フォーシーム=218球(35.3%)
スライダー=150球(24.3%)
カッター=111球(18.0%)
ツーシーム=94球(15.2%)
カーヴ=31球(5.0%)
スプリッター=11球(1.8%)

では、2016年(総投球数=1579球)はどうだったのか。

フォーシーム=636球(40.3%)
スライダー=327球(20.7%)
ツーシーム=293球(18.6%)
カッター=162球(10.3%)
カーヴ=116球(7.3%)
スプリッター=40球(2.5%)

 一瞥して気づかされるのは、カッターが増え、ツーシームが減っていることだ。とくにカッターの比率は、過去5シーズン(2015年は全休)のなかで最も高い。これはなにを意味するのか。

【次ページ】 被打率.103のスライダーを最大限に活かすために。

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