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BリーグNo.1勝率、川崎の秘密練習。
心を磨く12本連続フリースロー。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/04/07 11:30
勝利を積み重ねる川崎の北ヘッドコーチと篠山。指揮官の課した練習によって、選手たちがたくましさを増した。
練習の最後にフリースロー練習をする意義って?
エースの辻直人は「練習の最後に」このメニューが組まれていることの意義を、こう端的に表現する。
「試合中でフリースローを打つときには、疲れている状態なんですよ。そうやって試合に近い状態を作るために、練習の最後にやる意味があるんじゃないですかね」
設定された7分半を終えると、その日の全体練習は終わる。しかし、制限時間内のあとに12本連続で決められなかった選手は、12本連続で入るまで、居残りでフリースローの練習を続けないといけない。
ボードに当てたり、利き手ではない方でも決めたり。
そのほかにも各メニューの合間に、細かな制約をつけた上でフリースロー2本を決めるように求めることがある。
例えば、2本ともボードに当てて決めるケース。また、1本は利き手で、もう1本は利き手ではない方でシュートを決めるというものもある。これを全選手が達成しなければ、次のメニューに進めないのだ。
キャプテンの篠山はこう話す。
「誰かのシュートが入らなかったら、その選手をみんながずっと待たないといけない。そうすると、打っている選手は周りの目なども気になります。外してばかりいると、チームとしては次の練習に早く行きたいのに進まない。さすがに、最近はないですけど、少し前なんかはあまりにも入らなくて、みんなの空気が凍りついてしまうこともありましたね(笑)」
かつての記憶をたぐりよせながら、篠山はこう続けた。
「プレッシャーの高まるような状況があり、色々な打ち方や決め方の指定もあるので、ゲームに近い緊張感は出来ているのかなと思います」